今津派議員は“針のムシロ”?
混迷必至の旭川市議会
「最悪の場合、議員の三分の一が何らかの刑事処分を受けることになる」との見通しもある旭川市議会。そこまでいかず、仮に数人にとどまったとしても、大混乱は避けられない。エコ・スポ問題、菅原市長問題、さらに介護保険という重要な問題を審議する特別委員会も控えているだけに、議会運営はまさに歴史的な緊迫情勢にある。
特別委員会どころではない
自派の市議などを中心に三十万円〜二百万円と言われる現金のばらまき工作を図ろうとし、そのため選挙資金が不足して建設業者から約一千万円の寄付を受けた―とされるのが、今津選対にかけられている二重選挙違反疑惑の構図。
受け取ったと証言する議員がいないこと、過去の選挙でも“活動費”という名目で恒常的に支払われていた現実がどう判断されるのか難しいところが、結果として、大量の議員や関係者の事情聴取を繰り返す経過の中で、警察自身が広げてしまったウワサという見方もできるだけに、警察としても落とし所を模索しているようだ。
市議会はいま六月と九月の定例議会の狭間にあるが、日程としてはこの時期に、エコ・スポ問題を中心とする大規模事業調査特別委員会や菅原市長の政治資金の流れを集中審議する政治倫理調査特別委員会などを開く手はずになっていた。
しかし、どちらの特別委員会も、渡辺雅英委員が招致を求めた参考人の人選をめぐって審議が滞ったまま。計らずもそんな時に疑惑を追及する市議自身に選挙違反(買収)の疑惑が降りかかってきたものだから、もはや特別委員会どころではなくなってきた。
また、八月一日に予定されていた全議員参加による懇親のウトロ一泊旅行も延期、二十三日から十二日間の日程が組まれていたヨーロッパへの海外視察も延期(参加議員の一人が体調を崩したためというのが表向きの理由)した。つまり市議会はいま、何も手がつかない状況なのだ。
そんな非常事態に向き合って、早々と今後の議会構成を危惧する与党議員もいる。ことによっては与野党の構成が逆転する可能性もあると見るからだ。
議会再編成の可能性はらむ
「まさか、買収工作の対象となったとされる十数人の市議が全員、選対から金を受け取っていたとは考えたくないが、最悪の場合を想定すると旭川市議会の場合、四十人の定数の六分の一を超える(七人以上)欠員が出ると補欠選挙を行うことになっているので、そうなると与野党の数が逆転する可能性もある。
仮に七人を選ぶ補欠選挙となると、共産党と公明党で四議席は取るだろうし、会派構成の組み替えもあって、これまでの与党から野党に回る会派が出てくる可能性もある。あくまでも例えばの話だが、現実味がないとは言い切れない。大事にならなければいいのだが……」(与党議員)
これは、七人以上の議員が辞職やむなしという事態になった時のことを想定しての話だが、実は、仮に何事もなく終わったとしても、議会構成をこのまま維持することが難しい状況になっている。
それというのも、今回の買収疑惑で、標的の中心に置かれているのが今津派議員の多い公正クラブだからだ。このクラブは今年二月に、与党の立場を維持しながらも菅原市長追及の急先鋒に立ち、問責決議案の可決にも重要な役割を果たしている。
「江戸のかたきを長崎で討つ」―かつて菅原市長に向けられた刃。返す刀で公正クラブを斬りつけたというシナリオがまことしやかに流れているのだ。
「そもそも、いつもの選挙ではこんなことはなかったのに、なぜ今回だけ初めから警察にマークされていたのか。市長擁護派の誰かが仕返しのために仕掛けた、心ない嫌がらせとしか考えられない」と言い切る議員もおり、先の菅原市長問題が、今津派議員の“買収疑惑”の伏線となった可能性を指摘している。
これに対して純粋与党議員は「まったくありえない話」と一笑に付すが、一度こじれた問題はそう簡単に修復できるものではない。ことによっては議会再編成につながっていきそうな雲行きさえ感じられる。