8月中旬の予定だったが…
選挙違反問題からみ発足遅れる
「菅原功一と旭川市民の会」

 六月の衆院選後に旭川市内を混乱の渦に巻き込んだ今津氏派選挙違反騒動が、菅原功一旭川市長の新生・後援会設立の動きを遅らせている。「二期目の折り返し点となる十一月前後には発足させたい」(関根正次準備委員長)としているが、旧後援会はすでに解散を表明しており、目下のところ、事実上、市長後援会が存在しない不規則な状況が続いている。

 

旧後援会は発展的に解散

 菅原功一市長の後援会は、市議、道議時代のものを拡大し「菅原功一連合後援会」として存在していた。しかし昨年来、政治資金規正法違反事件にからむ一連の問題が発覚し、さらに後援会長を務めていた近藤司氏の会社(近藤木材グループ)が自己破産したことにより、今年六月、同後援会をいったん解散し、新たに別の後援会組織を発足させることを決めた。

 現在、発足準備を進めている新しい後援会は、三月末に当時まだ会長だった近藤氏が、政治資金規正法違反で後援会事務所長に有罪判決が出た直後に発表した「会長コメント」の方針に沿って設立を目指しているもので、資金管理団体など複数の組織を統合し、新しい後援会に一本化する形を取ろうとするもの。

 新後援会結成に向け六月十日に行われた拡大準備委員会は、和泉政義、大谷豊次、落合博志、小林全、小柳勝人、鈴木宏、関根正次、多田政明、千葉鈴江、中島芳雄、西野慶子、林徹男、久居智子、平泉訓、山下初子、山本孝博、横田隆治の各氏が総会準備委員代表として名前を連ね、呼びかけ人となった。

 この時、準備委員会の中心的存在だったのが、元市議で議長経験者の関根正次氏。関根氏は菅原後援会の役員ではなかったが、二度の市長選で選対本部幹事長を務めた経緯もあったため、請われて準備委員長を引き受けた。

 後援会の正式発足後は幹事長の立場に就くものとみられる関根氏は、新設する後援会の性格や方向性を次のようにまとめた。

 ク市長が市議・道議当時から今日まで共に苦労してきた人たちの考え方や立場を十二分に尊重しながらも、旧後援会を発展的に解散する。

 ケ旧後援会を核にしながらさらに広く人材を求め、大方の市民に賛同してもらえる市民組織をつくる。

 コ新しい市民組織は、市長の政治的、社会的活動を支援することはもちろん、いま市民が何を求めているか、旭川の将来はどうあるべきか、またそれをどう実行していくかなど、政策の調査、研究と立案を積極的に行う。

 サ昨年来の種々の問題を反省し、資金管理団体は透明性の高い組織とする。

 シ幅広い組織にするために、会運営は当面、集団指導体制としていく。

 以上のような方向性を確認し合い、近づきつつあった衆議院選挙の終了後に、市長の新たな後援会「菅原功一と旭川市民の会」を発足させることとした。

 

まだ固められぬ後援会陣容

 「当面は集団指導体制を目指す」とした準備委員会では、この時点で十人からなる“会長団”を内定していた。名前があがっていたのは、中島芳雄、横田隆治、神村武、多田政明、林徹男、山下初子、久居智子、鎌田勲、岩崎正則、津田勝美の各氏だった。

 旭川市議会からは市民自由クラブ会長の鎌田氏、民主クラブ会長の岩崎氏が会長団に名を連ねることを了承していたが、市長問題追及の急先鋒だった公正クラブ会長の藤田良一氏は態度を保留していた。

 関根氏はその後も、会長団の構成をさらに充実したものにするため、人員の選考と要請を続け、八月中旬までには新しい後援会を発足させたいと考えていたが、そこに思わぬ事態が生じ、スケジュールに狂いが出てきた。

 衆院選終了後に降って沸いた今津氏派による選挙違反騒動である。旭川政財界のドン・廣野忠雄氏らの逮捕、起訴、そして保守系市議会議員にかけられた買収疑惑。ことによっては議会解散もありうるという緊迫した状況では、事態がはっきりするまで市長後援会の設立どころではない。

 しかもこの一連の“今津潰し”は、春に政治資金問題で攻撃を受けた菅原市長派が、逆襲をかけるために仕掛けた“夏の陣”ではないかという風評が流れるようになっては、余計に身動きがとれなくなった。

 そうした膠着状態が続き、後援会の陣容も六月時点からほとんど進展を見ていない。関根氏によれば「二期目の折り返し点である十一月前後には形を整えて、正式に発足したい」としているのだが、いずれにしても買収容疑が固まっているとされる複数の市議の逮捕があるのかないのか、これがはっきりしない限り、市長後援会の設立にも動きにくいことは確かだ。

 

菅原時代を構築できるか

 今津氏派の選挙違反事件が発覚してからすでに三ヵ月。逮捕され、起訴された人は三人にとどまっているが、強い関心が持たれていた市議会議員の逮捕については、何事もなく収まりそうな雲行きになってきている。

 少なくとも五人は、選挙活動費を受け取ったことを警察の事情聴取で認めているという情報もあるが、その後の警察の動きは沈静化の気配が感じられる。市議会内部にも「これで終わった」というムードが漂い、公明党が抜けて以来事実上崩壊していた与党議員協議会を再構築する動きも出てきている。

 市長問題がすでに過去のものになりつつある状況の中で、与党議員同士の確執があっては議会運営にも影響を及ぼすという、大人の理論が働いているものと思われるが、詰まる所これは昨年来の市長問題の終息を意味するものでもある。

 宿敵?今津氏が政治生命の危機に瀕し、ドン・廣野氏や山川久明商工会議所会頭が影響力を失ってきた現在、これからはまさに“菅原時代”の到来。

 これで、上草義輝氏が今津氏に代わって次の衆院選候補になるような事態となれば、旭川の政治地図は、従来の保守亜流が大河となって、次第に本流となっていく可能性が強い。

 現在設立準備が進められている「菅原功一と旭川市民の会」には、そういう可能性を踏まえた陣容が求められているだけに、六月の衆院選以前の状況とは大きく異なり、より以上慎重にならざるを得ない。

 新しい後援会づくりにあたっては当初、菅原市長の三期目へ向けての組織固めと見られたが、関根氏はこの時点では「この組織は、市長が一日も早く求心力・指導力を回復し、後顧の憂いなく

 市政に全力を尽くしていただけるように、そのために市民組織を立ち上げるもので、次期市長選を意識したものではない」と話していた。

 しかし、二期目の折り返し点で立ち上げる新後援会組織は、紛れもなく三期目への挑戦を意識したものになる。今津氏が市長選に向けて準備を始めたというまことしやかな風評も流れる中で、菅原市長のリベンジが始まりつつある。