カムイリンクスの存続を願う
西 田 勲
旭川の経済界にまた暗いニュースが持ち上がった。道北では最大級のスキー場カムイスキーリンクスが今冬の営業を休止するというのである。
同スキー場は昭和五十八年にオープンしたもので、運営するのは、第三セクター『旭川神居山スキー場』。もっとも、旭川市と旭川振興公社の出資率は合わせて一一%どまりで、実質的な経営は九〇%近くを出資する日本ゴルフ振興(本社・大阪市)が行なっている。
国際スキー連盟(FIS)公認コースを含め変化に富む八つのコースがあり、高速ゴンドラなども設備し、道北では富良野に次ぐハイクラスのスキー場である。
旭川市内と近郊にはいくつものスキー場があるが「どこが一番か?」とスキー愛好者に聞くと、多くの人が「カムイスキーリンクス」と答える。
十六年前に旭川市が冬季五輪開催地として立候補した時にJOCに提出した計画書の中ではアルペンスキー開催予定地に挙げられた。また、日の目を見なかったが、今から十年前にはスキー場を核にテーマパーク、ゴルフ場、ホテルを建設する一大リゾート計画『カムイ・アステ』が描かれたこともある。
それではなぜ今冬の営業を断念することになったのかというと、まず第一の理由はスキー人口の減少である。
道内百三十二のスキー場が加盟する北海道索道協会のデータによると、道北地区のスキー場のリフト利用者総数は九九年度実績で延べ千三十五万人。ここ十年で最も利用の多かった九一年度実績の五五・八%まで落ち込んでいる。カムイスキーリンクスの利用者数もほぼこれと同じ減少傾向を示しており、ピークだった八六年度が百八十五万人だったのに対し、九八年度は九十万人にとどまった。
このため、毎年一億円ほどの赤字が計上され、累積で十四億円にも達しているのが現状だ。
また、親会社の日本ゴルフ振興が本業のゴルフ場も振るわないうえに、四国に八百億円もの巨費を投じて建設したテーマパーク『レオマワールド』が営業不振で閉鎖に追い込まれたといった事情も影響している。
さて、カムイスキーリンクス営業休止は、単に「旭川地区のスキー場が一つ減る」という問題で片付けることはできない。これといった冬の観光スポット、集客の目玉のない旭川にとって、同スキー場は貴重な観光資源となっているのである。ホテル業界に聞いたところでは、ひと冬に市内には約九万人のスキーの宿泊客があるそうだ。このうちかなりの人はカムイスキーリンクスがお目当てで、その経済的波及効果はきわめて大きい。「仮に営業休止となれば、打撃は甚大。われわれホテル業界だけの問題ではない」と、深刻に受け止めている。
また、競技コースとしても定評があり、関係者の努力もあって、来年二月には全国中学校スキー大会開催が決定しているし、その後も十五年の全日本学生スキー選手権大会(インカレ)、十六年の全国高校スキー大会など大きな冬の競技大会がいくつか予定されている。冬のスポーツ誘致を街づくりの一つの大きな柱に掲げる旭川市としては、カムイスキーリンクスは今や必要不可欠な施設なのである。
補助金を出して営業を続行させるか、あるいは施設を買い取り振興公社で運営するか、いずれにしても、旭川の財産として何としても守っていくべきである。
幸い、菅原市長も前向きに考えているようである。この暗いニュースが明るいニュースに変わることを祈っている。