●今月の視点●

市民論議は十分だったのか

西 田  勲

 平和通買物公園のリニューアル工事が進められている。対象は宮下通から八条通までの約一キロで、段差をなくしバリアフリーとし、ロードヒーティングや点字ブロックを設置、現在ある遊具は撤去。舗装路面は灰色を基調とした自然石などを敷き詰め空間の広さを強調し、また、人の流れをスムーズにする狙いから全体的デザインは直線を基本としている。

 七二年の開設以来四半世紀を経てのリニューアルで、二〇〇二年の完成を目指している。

 すでに、八条通から六条通の間の整備が終了しているが、ところがこれがいたって市民に評判が悪いのである。「殺風景だ」「温かみがない」といった批判の声が多く、これでは今後の工事に支障が起きかねないと、旭川市は先月二十八日、これからの整備内容に反映させようと『市民の意見を聞く会』を開いた。

 こうした集まりが事業の途中で開かれるのは余り例のないことで、会場となった旧小林ストアー(八条八丁目)には地域の商店主や一般市民など百人以上が集まり関心の高さを示した。

 デザインを担当したコンサルタント会社から計画の基本の説明があった後、参加した市民と市土木部との間で質疑応答が行われたが、ここで改めて手厳しい批判の声が出された。

 「灰色の舗装は温かみがない」「立ち止まって楽しむという誕生当初の買物公園のポリシーが失われている」「新たに植えられた樹木は低すぎる。現在の樹木をそのまま生かしてほしい」「四条以北は人通りが少ないのでもっと明るい照明にすべきだ」「フットライトのデザインを改善してほしい。照明の色合いも良くない」といったような内容だった。

 それにしても、せっかく多額の事業費をかけて取り組んでいるのに、どうしてこうした結果になってしまったのだろう。やはり、最初の段階で多くの人に意見を聞かなかったことが災いしているのではないだろうか。市では「長い年月をかけて論議した」としているが、それは一部の限られた人たちの論議だったとの批判もある。

 行政は事業に取り組む時、市民の意見をくみあげるべく審議会をつくる。しかし、審議は行政主導ですすめられ極論をいえば「結論先にありき」で、審議会は示された案の承認機関というのが実態である。以前、ある審議会のメンバーになったことがあるが、思ったことをはっきり言う私がいては都合が悪いのか、いつのまにかお呼びがかからなくなったという経験がある。

 形ばかりの「市民の声反映」では、今回の買物公園整備事業のようになってしまうということである。これからの街づくりには、行政と市民の間にしっかりとした接点がなければだめだと、改めて教わった気がする。

 幸い、二十八日の集まりで市民から出た意見、要望を参考に、市は計画の一部見直しをするという。「全体のデザイン変更は難しい」とのことだが、完成してしまってからは遅いのであるから、謙虚に耳を傾け、できるだけ市民の意見を反映してもらいたいものである。

 過日お会いした時菅原市長は「手の噴水はリニューアルで取り除かれることになっていますが、あれだけは残したいですね……」と話していたが、同じ思いの市民は多いはずである。また、これは私の考えだが、一キロにも及ぶ買物公園を画一的にリニューアルすること自体に無理がある。駅前、三条四条、そして五条以北と商店街に合わせて変化をつけた方が良かったと思う。

 いずれにしても、広く意見を聞きながらこれからの事業を進めてもらいたい。