●今月の視点●

エア・ドゥは“札幌の翼”?!

西 田  勲

 昨年暮れ、UHBテレビで『エア・ドゥ支援に賛成・反対?』という番組が放映された。キャスターの北海学園大学森啓教授をはさんで、賛成派と反対派の二人のゲストがそれぞれの意見を戦わせる企画だった。

 賛成派の会社社長・横山充洋氏は「今後も存続していかなくてはならない。完全道営化を図り、北海道活性化のための公共サービスと位置付けるべきだ。道内のほかの九つの空港にも就航したら良い」と主張。これに対して反対派の同じく会社社長出口吉孝氏は「道民から集めた五十九億円の出資金をわずか二年で食いつぶしてしまった。その原因も究明しないままの新たな支援要請は、企業としての自覚、認識が欠如しているとしか思えない。特定の企業を助けるために税金を使うというのは道民が許さない。そもそも、この会社に命をかけるほどのリーダーがいないのが問題だ」と経営姿勢を批判した。

 さて、旭川市民はこのエア・ドゥ問題をどう受け止めるのだろうか。私は出口氏の意見とほぼ同じで、支援には反対である。ちなみに、番組に寄せられたファクスなどは支援賛成六割、反対四割であった。

 ご承知のように、エア・ドゥは二年前に『道民の翼』『道を代表するベンチャー企業』として堀知事をはじめ有力経済人がこぞって支援し華々しくデビューした。マスコミも大きく取り上げ、持てはやしたものである。

 創業当時、社長を務めていた浜田輝男氏(故人)にあるイベントで一緒になったことがある。浜田さんはエア・ドゥの夢をとうとうと語っていたが、彼の口から出る空港の名は最後まで「千歳」「羽田」だった。私は旭川などほかの道内空港の名前がまったく出ないことに納得がいかず「道民の翼ではなく、札幌の翼ですね」とついつい皮肉を言ってしまったことを覚えている。

 私のような思いを抱いてエア・ドゥの創業から今日までを見ていた道民は少なくないと思う。

 昨年、新しいターミナルビルが完成した旭川空港は、設備が充実したにもかかわらず乗降客は一割以上も減っている。原因はいくつかあるが、一番はエア・ドゥ就航である。エア・ドゥが安い運賃を打ち出し、対抗して大手航空会社も大幅に値下げしたため、千歳空港を利用した方が割安になって旭川空港が敬遠されているのである。

 確かにエア・ドゥの出現で運賃は低減したかも知れないが、しわ寄せがほかの道内空港にきている。これでは、札幌圏一極集中を加速させ、地方をますます衰退させるだけである。

 今のエア・ドゥの惨状は、夢だけを追い求め、企業経営の厳しさを検証せずに無謀な離陸をした結果である。発足時から、官依存の甘えの体質があったと思う。

 今、さらに、道主導で道民の血税をつぎ込もうとしている。この先エア・ドゥは、道の幹部職員の天下り先となるだけではないだろうか。紙くずとなってしまった二年前の道民の出資の責任はだれもとっていない。再び血税をつぎこんで経営が軌道に乗らなかった場合、だれが責任をもつというのであろうか。