●今月の視点●

 

心配な旭川信組のゆくえ

西 田  勲

 

 二十一世紀に入って少しは世の中が明るくなるのではないかと期待した人は多かったと思うが、中央政界ではKSD汚職や外務省の機密費問題など相変わらず暗いニュースが続き、日本全体が重苦しいムードに覆われている。経済面では、土地や株価が下がりっぱなしなのが何かと気になるところで、「第二の金融危機がくるのではないか」と、金融関係者は戦々恐々としている。

 旭川もまた、経営危機に陥っている旭川商工信組問題が解決されずに越年し、経済界に不安な陰を落としている。

 かつては優良信組に数えられた旭川信組がバブル期の不良債権を抱え経営内容が悪化、昨年度三月期決算で二十三億円の赤字に転落し、自己資本比率も二・六%にまで低下したのは、各マスコミが報じてきた通りである。望ましいとされる自己資本比率は四%以上であり、二・六%というのは財務内容が瀕死の重症であることを示している。

 健全化を迫られた旭川信組は昨年十一月、道や旭川市、全信連、そして地元企業などに総額三十一億円余りの増資を要請する再建計画をまとめた。しかし、すぐに要請に応じたのは付き合いの深い、旭川では大手に数えられる数社の企業だけである。

 旭川市は「前向きに支援したい」(菅原市長)としているが、議会内に慎重論が強い。道はエア・ドゥなどの難題を抱え、正直なところとても支援どころではない。全信連は、道や旭川市、地元企業の反応を見ている。東川町や東神楽町は、旭川信組の要請に当惑しているのが実情。つまり、支援要請への反応は極めてにぶいのである。要請に応じた数社の企業の出資も、数千万円単位に過ぎない。

 改めて言うまでもなく、旭川信組は地元企業にとって、また市民にとってかけがえのない存在である。仮に破綻したとすれば、連鎖する中小零細企業はかなりの数にのぼるだろうし、旭川経済界に深刻な影響を及ぼすのは避けられない。

 そうした重要な存在だと認識しながらも、増資に及び腰とならざるを得ないのは、旭川信組の経営の不透感がぬぐえないからである。

 広く知られているように、旭川信組が経営危機に陥った最大の要因は本間興業グループへ深入りし、巨額な不良債権が発生したためである。納得してもらえる再建計画を示すには、グループへ貸し出し焦げ付いた融資はいくらになるのか明確にしなければならないはずであるが、しかし信組は「個々の融資先のことは詳しく申し上げられない」と言うばかりである。不透明ゆえに、「本間グループの不良債権は五十億円近い」「いや、八十億円に達するらしい」などの憶測が生まれ、また、旭川信組の関連会社に関するきな臭いうわさも飛び交うのである。「旭川市議会から求められれば(本間グループの)資料は出す」とも言っているが、それは話が逆で、出資を募る以上積極的に情報開示するのが筋である。

 道や旭川市、全信連は「最終判断は金融庁の検査を待って下す」としてきた。その金融庁の検査は一月から進められ、間もなく終了する。道の検査では自己資本が十一億円以上あるとされながら、一転、二十八億円の債務超過が明らかになって破綻(昨年十二月)に追い込まれた道央信組の例もあるように、金融庁の検査は従来とは比較にならないほど厳しいものだ。旭川信組のケースも不良債権額がさらに増すのは必至と言われている。

 金融庁の検査結果が非常に気がかりである。道央信組のような結果にならないことを祈るばかりだ。