|
景気の良し悪しをはかる重要なバロメーターである地価が先月末に国土交通省から発表された。残念ながら、長引く不況を反映して全国的に十年連続の下落となった。東京など大都市圏の中心部などで下げ止まり感が出てきたものの、まだまだ全体としては下落傾向が続いている。
昨年、さんろくなど商業地の下落率全国一という不名誉な記録で話題となった旭川はどうかというと、下げ幅は小さくなったものの、今年もまた下落した。
ちなみに、例年もっとも地価が高い二条通買物公園佐々木ビルの場所は、一平方メートル九五万円だった。ピークの九〇年には一平方メートル一五五万円だったから、十年で四〇%も落ち込んだ計算となる。歓楽街さんろくはというと、ピーク時のおよそ半分となっている。しかも、実際に売買される時はこの公示価格よりさらにダウンするのが通例であり、また競売ともなれば三分の一となる。現に先ごろ行なわれた三条五丁目の土地の競売では一平方メートル六万円を切り坪十九万円台で落札された。
それでも全道的にみると、旭川はまだ良い方で、函館市や釧路市はもっと深刻なようである。旭川の場合、商業地は下がっているものの住宅地は比較的安定しているが、函館や釧路は住宅地も下落しているのである。
不動産鑑定士の中田耶寿夫さんは「住宅地の地価が安定しているのは、菅原市長の功績」と話している。
菅原功一市長は就任以来、市街化区域を拡大していない。市街化区域を拡大すれば固定資産税など増収が見込めるわけで行政としては増やしたいところだが、それをとどまったことで住宅地の地価下落を防いでいるのである。市長にはこれからもしばらく、新たな市街化区域編入はしないという政策を続けてもらいたいと思う。むしろ、空き地だらけの中心街の再開発に力を注いでもらいたいものである。
財産は一つにまとめず、銀行預金、株式、土地などの不動産に分配しておくと安全だということで、昔から『財産三分法』がいわれてきた。とくに不動産は、もっとも安心できる財産とみられてきた。
実際、戦後土地は確実に上がり続けた。しかし、バブル期の高騰は異常で、日本の土地は余りにも高くなりすぎた。バブルがはじけて以降、全国的に下落が続いているわけだが、それでもよその国からみると日本の地価はまだ高水準だそうである。
ある経済評論家が「財産三分法のうち不動産は、外国債権にかえるべきである」と話していた。つまり、世界で政治、経済、軍事などでもっとも安定し将来性のある国の国債を財産として購入することをすすめているのである。為替は変動するからリスクも覚悟しなければならないが、確かにグローバリゼーションの時代にあってこれからの資産運営の一つといえそうである。
「地価はそろそろ底値」という分析も一部にはあるが、デフレも手伝ってさらに下落傾向は続くものと思われる。現在の経済のリード役であるIT産業は土地を必要としてしないし、また国内製造業の拠点は中国や東南アジアに移っている。今話題のユニクロや百円ショップのダイソーも、中国や東南アジアで商品を生産しそれを輸入販売しているのである。
少子化による人口減で、土地の需要はこの先も伸びない。戦後一貫して続いてきた土地神話は完全に崩壊したことを認識するべきである。
|