今から13年前に旭川の合唱団がローマを訪れ法王に歌声を披露したが、仲介の労をとったのが延安さんだった。
音楽堂でのリサイタルでは、ベルデイのオペラ曲やナポリ民謡を聞かせてくれたが、ソフトな歌声はイタリアの心を伝え会場の市民を魅了させた。アンコールが続き、延安さんに「旭川は第2の故郷です」といわしめるほど、感動的なリサイタルであった。
リサイタルの後、懇親会に移ったが、あいさつに立った延安さんは「私の大きな仕事は、ローマ法王を旭川へお招きすることだと常々思い努力しています。今はたいへん良い方向に向かっており、9割方実現すると私は思っています」と語った。懇親会出席者からは期せずして歓声と割れるような拍手が起こった。
私はこのローマ法王を旭川に招く話を、旭川でいくつかの合唱団指揮者として活躍する小田一也さんから何度か聞いたことがあった。
小田さんは「みんなからホラといわれるような大きな夢を描き、これを実現するのが楽しみです」と言うユニークな人である。
年明け早々、総勢190名という旭川の大合唱団がイタリアを訪問したが、中心になって計画を進めたのが小田さんである。
190名の人がローマに行くのは費用だけでも5000万円をくだらない。今回のように法王パウロ二世と謁見する段取りは、延安さんらの協力を得てのことだといっても、やはり大変なことである。
小田さんもまた「合唱団の交流事業を続けてきた本当の目的は、法王に旭川へ来てもらいたかったからです。法王の前で市民が歌うことで、強く旭川というまちを印象付けたいと考えていました」と言い、そこまで法王招致にこだわることについては「パウロ二世は世界平和の象徴だからです」ときっぱりと話す。
さて、二人を中心とする努力で進んできたこの素晴らしい計画はいつ実現するのだろうか。
小田さんによると、来年九月頃にも法王が来日し、「東京のほか長崎、神戸、そして休養のため北海道を訪ねるのではないだろうか。そうであれば北海道で立ち寄るのは旭川の可能性がかなり高い」というのである。
今年法王に謁見した際、小田さんは菅原功一市長の親書とあわせ、美瑛の丘など大雪周辺の風景を写したビデオなども献上してきた。「北海道はパウロ二世の故郷ポーランドに似ています。大雪の山々と景観は法王にとって最高の休息の場となるはずです」と小田さんは声をはずませる。
今月31日に札幌青年会議所が招いてクリントン前アメリカ大統領が札幌を訪れる。そして来年は、パウロ二世が来道するわけだ。もし旭川訪問が実現したら、旭川を世界に知ってもらう大きなチャンスである。これほどの大物が来旭するのは過去に例がなく、後世の歴史に残るできごととなる。
小田さん、延安さんらの夢の実現を大きな期待をもって見守りたい。