2001年 9月号 No.393


“どん底”に新・信組は絶対必要!
 
 6月22日の旭川商工信用組合破たんからやがて2ヵ月。その後の関心はもっぱら“新・信組”を立ち上げられるかどうかに移っている。旭川市や商工会議所は「不退転の決意」(菅原市長)で取り組みを開始したが、いまひとつ明確な展望が見えてこないのが実情。
 設立に向けて突破口となる経済界による出資金集めの具体的行動もこれから本格化する状況で、「新信組への期待もあり(他の金融機関を対象とする受け皿探しは)秋口まで様子を見る」(信組金融管財人)とした8月末のタイムリミットも近づいている。
 破たん後に予想された“倒産続出”がいまのところ現実となっていないことから、市民の間では「中小零細企業を守るためにも、新・信組は絶対必要」という気持ちさえ揺れ動いてきている。この先どうなる新・信組設立構想。(記事は8月7日現在)
旭川市議海外視察旅行に非難ごうごう
 
 8月19日出発、12日間の日程で5人の市議会議員が海外視察旅行に出かける。海外視察の是非はこれまで何度も議論されてきたが、旭川商工信組破たん直後という深刻な経済情勢だけに改めて、波紋が広がっている。しかも視察メンバーの中には、信組破たん後の経済の混乱・衰退を食い止めようと発足した市議会緊急経済対策特別委員会の岡崎信義委員長と三上章委員も加わっている。「旭川経済を取り巻く環境の厳しさを議員たちはまったく分かっていない」と、経済界から怒りの声が次々にあがっている。
参院選・光った西川将人の善戦、旭川保守陣営に2分化の予兆
 
 旭川市民にとっては次期衆院選、市長選を占う意味でも関心の高かった参議院選挙が7月29日投開票され、大方の予想通り自民党新人の伊達忠一(62)と民主党前職の小川勝也(38)が当選した。地元旭川から出馬した西川将人(32)は、昨年総選挙の1万6000票を大きく上回る2万9000票もの市内票を集めて大善戦、近い将来における旭川保守勢力の2分を予感させる結果となった。比例代表で自由連合から立起した上草義輝(62)は市内票がわずか3300票余りにとどまり、先行きの光を見失った。(文中敬称略)
旭川・鷹栖8農協合併構想 II分類債権の引当金上積み問題で停滞
 
 旭川市内6農協と鷹栖2農協を合わせた「8農協合併構想」が正念場を迎えている。当初のスケジュールでは8月中には合併予備契約の調印を終える予定だったが、8月上旬現在、作業はまだその遥か前段をさまよっている。最大規模の旭川市農協が抱える多額の不良債権問題が、全体の流れを停滞させる大きな要因になっているようだが、果たして来年2月1日の大同合併は間に合うのか。
教科書採択決まる 旭川の「教育出版」独占状態はやや薄らいだが
 
 本誌は昨年来の教科書問題を様々な観点から3回にわたって連載し読者からの大きな反響を得た。この教科書問題の一応の結論である採択結果が、上川地区は7月17日、旭川市は7月25日にそれぞれ発表になった。詳しい採択理由の情報公開は8月15日以降となるが、採択結果についてまずは報告し、道北教科書改善連絡協議会々長の的場光昭氏の意見を合わせて掲載する。
リサイクル石鹸誕生秘話―ペカルト化成・篠原禮子さん
 
 廃油のリサイクルで高品質の石けんやシャンプーを造り出し、時代の脚光を浴びる存在になっている(株)ペカルト化成(旭川市末広1条14丁目、篠原泰則社長)。その基礎を造って5年前に亡くなった創業者・篠原元次氏の“石けん職人”としての生きざまを、同社で経理を担当しながら息子(社長)の石けん造りに賭ける執念を見届けている未亡人の篠原禮子さん(73)に語ってもらった。
道北地方でも増えてきた“散骨”
 
 血縁や家制度の価値観が変化するにつれ、従来の葬送法を考え直し、自分なりに死後を決定したいという意思を持つことが、決して特異なことではない時代になってきた。
 「死後は自然に帰りたい」―そんな人たちの心情を満たす自然葬(遺灰を海や山へ還す葬法)が着実に増えてきている。道北地域で唯一“散骨”の儀式を執行している北海道仏教徒センター(大沼克之代表)の専任僧侶・藤倉健造氏(五百仏寺住職)に最近の“散骨”事情を聞いた。
街の空洞化、買物公園4条以南でも空き店舗目立つ
 
 郊外型ショップの攻勢で全国どの町でも中心街の空洞化が著しい。旭川では永山パワーズ、花咲町のショッピングゾーンの集客が強い一方で買物公園の地盤沈下が進んでいる。以前は5条以北で目立った空き店舗もいまでは1条から4条のメーン通りでも珍しくなくなり、数年間もシャッターを下ろしきりの店舗など寂しい光景を目にする機会も増えた。どれくらいの空き店舗があるのか、メーン通りを歩き、気になる空き店舗をピックアップしてみた。
永山パワーズ内に来春旭川初のシネコン開業
 
 旭川初のシネコン(シネマコンプレックス=複合型映画館)が永山のショッピングセンター『パワーズ』内に来春オープンする。スーパーチェーン『ふじ』(六車亮社長)が、新設する大型スーパー2階部分に誘致するもので、8スクリーンで1200席の計画。
嵐山公園は自然保護優先、観光開発はどうなる
 
 嵐山公園の整備計画がこのほどまとまった。観光開発より自然保護優先で整備する方針で、今年度から公園道路のほこり止めなど、順次整備を進めていく。平成16年度には新しい展望台も完成し、北邦野草園にはネイチャーセンター的な施設も設けられ、自然豊かな公園に生まれ変わる。
カムイスキーリンクスが営業継続に前向き?!
 
 来季の営業継続をめぐり、注目されていた道北屈指のスキー場「カムイスキーリンクス」(旭川市神居町西丘)は、実質的な運営会社の日本ゴルフ振興(本社・大阪)が来季の営業について前向きな姿勢を見せており、今年の冬はとりあえずオープンされる見通しが強くなった。しかし、営業を継続させても経営状況は苦しいことに変わりなく、市の支援は必要不可欠。不確定要素も多く今後は支援方法などをめぐり同社と市の協議は引き続き行われることになりそうだ。(記事は8月5日現在)
道北企業売上高法人所得ランキング
 
 平成12年度(平成12年度4月期〜同13年3月期決算)の道北地区企業売上高ベスト100社と同業種別売上高ベスト20社、北・中空知地区売上高上位50社と同業種別売上高10社が、東京商工リサーチの調べでまとまった。
 それによると、道北の『100億円超企業』は前年度と同数で22社だった。前年度18位のタカハタ建設と22位の藤建設が大幅に売上高を落として大きく後退し、かわって旭川トヨペット、日東石油が100億円を超えた。
 100億円超企業22社のうち、増収となったのは12社で前年度より2社減。上位100社のうち建設業は22社を数えるが、このうち増収となったのは5社に過ぎず、前年度の11社に比べると6社減となっている。建設業売上高上位20社の中でも増収となったのは4社だけで、明らかに減収傾向がうかがえる。農業土木問題、民間受注の低迷、官庁工事の減少が影響している。
 食品スーパーは、勝ち組と負け組に差別化が進んでいる。家具製造販売では大手が数多く脱落していったが、残った企業は増収のところも多く、おしなべて健闘している。
 北・中空知地区の『100億円超企業』は3社。『50億円超企業』は11社。前年度4位の泰進建設が100億円を割り込んだが、上位10社は順位の変動こそあるが顔ぶれは変わらなかった。
※農協、漁協、その他特殊な業種、一部の非公開企業は対象外)
タイムリーインタビュー
ニュー北海ホテル・旭川グランドホテル社長 佐藤行信氏
 
 ニュー北海ホテル・旭川グランドホテル取締役社長に前専務の佐藤行信氏が就任した。大幅なリストラやコスト削減でホテルの建て直しをはかる佐藤社長にホテル業界の抱える課題や今後のあり方、旭川の観光などについて聞いた。
今月の視点
「もう50年」ではなく「まだ50年」  西田 勲
 

 歴史教科書問題がさまざまな方面に波紋を呼んでいる。

 来年のサッカーワールドカップの日韓共催が決まって以来、一段と盛り上がっていたスポーツ交流の中止や延期が相次ぎ、全国各地で姉妹都市交流の見直しも行なわれている。

 実は、8月7日に旭川市公会堂で行なわれた韓国水原(スウォン)市の市立交響楽団演奏会も、一度は延期が決まった。

ご存知の通り、水原市は旭川市の姉妹都市である。提携以来、相互訪問などで交流を深めてきた。韓国国内はもちろん、国際的にも評価の高い市立交響楽団は、ワールドカップ開催のPRを兼ねて、水原市から「ぜひとも旭川で公演を」と申し入れがあったものである。しかし、7月下旬になって「今回は旭川のほか台湾、インドネシアも訪問予定だが、インドネシアの政情不安から延期したい」との申し入れがあった。表向きの理由は「インドネシアの政情不安」だが、真の理由はやはり歴史教科書問題のようであった。

 幸い、両国の親善協会など関係者の働きかけで、予定通り、開催の運びとなった。

 前日夜、ニュー北海ホテルで催されたレセプションでは旭川の5つの女声コーラス団体が歓迎の心をハーモニーで表現し、両市の友好関係は一段と深まった。演奏会当日、会場には大勢の音楽ファンが押し寄せほぼ満席で、高いレベルの演奏に盛んな拍手が送られた。



 教科諸問題は非常にデリケートなテーマである。歴史的に日本は何度か侵攻を試みており、韓国の人たちの心の奥にある屈辱感は簡単に拭い去ることのできるものではない。

 作家の辺見じゅんさんがロータリーの地区大会の講演でこんな話をされた。「私たちが21世紀の子どもたちにバトンタッチをするものの一つとして『歴史』をあげたい。例えば、戦争を『もう50年』ではなく『まだ50年』という視点でとらえ、しっかりと次の世代に引き渡すこと。それが国際社会の中での日本のあり方として大事。歴史を直視し、そこから私たち一人ひとりが歩むことです」。

 半世紀もたってそろそろいいのではないかとの考えは甘いと警鐘をならしている。

 日本の教科書は、教科書出版会社がつくったものを、各自治体ごとに学識経験者や教師、父母からなる選定委員会が審議して採択を決める。今回の歴史教科書問題につき韓国側が修正要求を出したが、日本政府はその要求に応じていない。政府がこと細かに表現をチェックし規制でもしたら、それは国定教科書となってしまうのである。このような日本の教科書採択制度を理解してもらいたい。

 現実に「つくる会」の教科書の採択は道内ではなかった。韓国国民は非常に神経を尖らせ心配していたが、選定委員会は「国家主義の色濃い歴史観は教育現場になじまない」と判断したのである。

 教科書の記述を巡って論争が行われること自体は良いことだと思う。ただ、そのために交流事業を延期、中止するのは行き過ぎである。交流を絶やさないことこそが、歴史に対する共通認識の幅を広げていくことだと思う。

 市立交響楽団の演奏会が予定通り開催されて本当に良かった。グリークのピアノ協奏曲、ブラームスの交響曲の演奏に引き続き、旭川市民合唱団と一緒にモーツアルトの歌曲などを共演、会場は割れるような拍手に包まれた。

 まさしくこの光景は友好のきずなのハーモニーであり、音楽に国境のないことを実感した。この後、水原市のサッカーと囲碁の交流も予定されている。旭川市と水原市の交流が一層盛んになり、日韓友好の一翼を担えればと願っている。