2002年 2月号 No.398


前社長が現社長を提訴! 表向きは退職金問題だが…
中原建築設計事務所に何があった!?
 
 建築設計業界で道内第3位の実績を維持する(株)中原建築設計事務所(旭川市東5条3丁目)の井波信夫社長(53)を相手どって民事訴訟が起こされた。訴えたのは、一昨年8月に退社した前代表取締役社長の石崎繁敏氏(69)。会社は、功労に応じた常識的な退職慰労金を支払えとするものだが、道北きっての優良設計会社に何があったのか。

江丹別地区市民委員会執行部の横暴
 
 住民投票の結果は賛成45票、反対14票―行政と住民の“終わりなき戦い”にまで発展した江丹別中園のゴミ処分場使用期限延長問題は12月31日、投票方式の無効を訴える住民の声も届かず、同地区市民委員会執行部の独断、横暴ぶりを見せつけたまま賛成多数で使用期限の延長に合意するという、きわめて後味の悪い結末を迎えた。

不況下でも元気! 2期連続増収益の34社
 
 ドン底の経済情勢が続いている。北島家具や旭川三井石炭といった老舗名門企業も没落。雇用不安や民間設備投資の減退、消費低迷で先ゆきもきわめて厳しい。しかし、そうした経済環境下でも増収増益を続ける元気企業がある。東京商工リサーチ旭川支店のデータベースから、直近の決算で売上高10億円以上、利益1千万円以上、2期連続増収増益の条件で検索された企業は34社。

新春インタビュー/佐々木秀典代議士
小泉政権は国民の不安にセーフティネットを
 
野党・民主党の立場をつらぬく
 ドラマを見るような小泉政権の誕生で、国民の政治へ向ける目も変わってきた。衆院6区(旭川市)選出の代議士・佐々木秀典氏(67)に、野党としての民主党の考え方、国政のあり方、地方経済の問題点、今秋に迫った旭川市長選へのスタンスなどを聞いた。(市内神楽岡の自宅で。聞き手 本誌社長・西田勲)

自宅(庫裏)の新築に3億円の寄付要請
浮世離れした「お寺」の感覚
 
 旭川市内の寺院が来年創設100周年を迎えるのを機に、授戒会の催しと庫裏(住職の自宅)の新築を行うことを決め、3億円の目標で檀家に寄付を要請している。お寺への寄付は檀家の義務?とは言え、市井の経済環境が最悪のこの時期に、よりにもよって住職一家の住まいのために3億円もの寄付とは……。檀家の心は揺れ動いている。

北央信組への期待と不安…店舗継承は半分だけ
 
 師走25日に結ばれた旭川信組管財人と道央信組(川島慎二理事長)の事業譲渡契約に期待と不安が交錯している。「大方の債権は引き継がれそうだ。大きな混乱はない」との楽観的な受け止め方の一方で、「継承店舗が半分の8とは……。思ったより厳しい」と、先行きへの不安も経済界から聞こえてくる。譲渡日は1カ月遅れて5月7日。

今月の視点
人ごとではないアルゼンチン危機......西田 勲
 

 4条買物公園通のまつ井靴店が昨年師走に店を閉め、お隣の梅原中央社も後を追うようにしてこの1月で閉店する。まつ井靴店の松井社長とは、青年会議所が一緒で、それ以来お付き合いをさせていただいた。梅原中央社の先代社長さんとは中学の同級で、2店ともに個人的によく知っていただけに、相次ぐ自主廃業に、寂しさを覚える。

 改めて言うまでもないが、今、買物公園の商店に限らず、小規模な小売業の経営環境は極めて厳しい。郊外に次々に誕生した大型店に客を奪われ、個々の店の努力やまた商店街の取り組みでは対抗できずに年々、売り上げが減少している。しかもここ2、3年はデフレ要因も加わり存続の危機を迎えているのである。

 松井さんは「この先はさらに厳しくなる。人さまに迷惑をかけないうちに…」と、店を閉める決断をした。できることなら松井さんのようにここらで店じまいをと考えている商店主は多いのだが、しかし大方は、借金だけが残るために辞めるに辞められず悩んでいるのが実情なのである。

 自由競争の下での自然淘汰と言ってしまえばそれまでだが、しかし、地域で親しまれた老舗の店が将来に見切りをつけ次々と消えていくのを、大手の勝ち負けと同じように「時代の流れ」と看過して良いものだろうか。日本の経済は中小企業で成り立っていると言われるが、地方にいけばそのウエイトはさらに高く、中小の商店の消滅はその町の衰退につながる。松井さん、梅原さんの後にさらに閉店が続けば、旭川の顔である買物公園の様相はガラリと変わってしまうのである。

 今、グローバルスタンダードの名の下に、経済のあらゆる分野でものすごい競争が行なわれている。世界基準の自由競争といえば聞こえはいいが、ようはアメリカ主導の改革である。旭川では大手企業であるホクト電子も日本製紙旭川工場も、このグローバルスタンダードについて行けず、いずれ撤退を余儀なくされるだろうと言われている。また、今のような競争が10年続くなら地方の老舗は半減すると予測するエコノミストもいる。

 小泉政権の構造改革自体を否定するわけではないが、やはり地域経済を支えている中小零細が生き延びることのできる政策づくりをのぞみたい。

 日本とは地球の反対に位置する南米アルゼンチンの経済は今、債務不履行を宣言しなければならない非常事態となっている。19世紀末から20世紀初頭にかけて、世界で最も裕福な国と言われながら経済が破たんし、90年代に援助や融資を条件にアメリカ主導の経済改革に次々に取り組んだが、事態はさらに悪化し破局的なものとなってしまったのである。規制緩和、民営化促進などのアメリカの処方箋が正しかったならば、それを忠実に守ったアルゼンチンは今ごろは繁栄を取り戻していたはずだが、結果はその逆となった。

 「日本はアルゼンチンと同じ道をたどる」という、不気味な予測が最近、飛び出している。まさかそこまでと信じられないのであるが、「改革」という言葉ばかりが踊り一向に景気回復の糸口が見えない現状を見せ付けられると、ふと最悪のシナリオもあり得るのではと弱気になってしまうのは私だけではないはずである。

 グローバルスタンダードという考えに基づいた改革は、必ずしも「経済再生」の処方箋とはならないのではなかろうか。アルゼンチンの悲惨な現状がなによりも明確に物語っている。改革は必要だが、やはり日本の現状に合わせた中小零細に配慮した進め方を考えてもらいたい。