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輸入牛肉を国産牛肉と偽り政府から補償金を騙し取ろうとした雪印食品、前日の残りビールを当日分に混入していたサッポロビール園と、道民の誇りだった企業の信じがたい不正行為が相次いで発覚した。ただでさえ長引く不況で重苦しくなっている道民の気持ちに追い討ちをかけるような、何とも気が滅入る事件である。
サッポロビールの場合は、まだそれほど悪質なものではないと大きな問題にならなかったのが幸いだが、雪印食品の牛肉偽装は極めて悪質である。日本を代表する食品メーカーがこんなモラルの低い小ざかしい手法を考え付くのかと暗たんたる気持ちになるばかりだ。親会社の雪印乳業が起こした食中毒事件に次ぐ今回の不祥事によって、スノーブランドへの信頼は地に落ちてしまった。道民の1人として、また長年、雪印製品を愛用してきた者として「もう一度一からやり直せ」と応援したいが、信頼回復の道は遠く、会社の存続さえ危ういようである。
企業ではないが北海道ブランド≠ニ呼んでさしつかえないだろう鈴木宗男衆議も、アフガン会議へのNGO(非政府組織)参加を巡る問題で、イメージをすっかり落としてしまった。結果的には、田中真紀子外相が更迭となり、鈴木氏も衆議院議員運営委員長という重要ポストを辞任し、両者ともに痛み分けという格好だが、国民の大半は田中氏に同情し、鈴木氏は悪役である。
言った言わないの低レベル論議に終始した国会では結局、鈴木氏の介入があったのかどうかは明らかにされなかったが、しかしこれまでの経緯からみて、有力な外交族議員である鈴木氏が外務省への影響力を行使し、NGOのアフガン会議参加を拒否させたのは間違いないようである。
NGOが鈴木氏とのやりとりを公表している。その中で鈴木氏は「新聞なんかでもてはやされて調子に乗るな、ふざけるな」「税金を集めているのは俺だ。一銭も金はやらんからな」と、ヤクザの脅しのように怒鳴り散らしているが、そこには知性と教養のかけらも感じられない。
こんな人が北海道を代表する政治家といわれてきたのだから、恥ずかしい限りである。
議員バッジを光らせて役人を怒鳴りつけるのは鈴木氏のスタイルというか、政治家としての手法である。地元十勝の熱烈な支持者の目には、むしろそのような鈴木氏の態度が、とても頼もしくあり実力政治家として映るのである。恫喝と利益誘導を得意とするこうした古いタイプの政治家を頼りがいのある先生とあがめるのは、選挙民に、国の予算を持ってきて街を良くしてもらおうとの意識が今なお根強いからである。
北海道の課題は「官依存体質からの脱却」と言われて久しい。バブル崩壊後はひときわ声高に叫ばれてきたが、しかし、その課題は一向に克服されていないのが実状だろう。97年に破綻した拓銀、98年に道民の翼として期待を担って飛び立ちながら、税金をつぎ込んでも経営が浮上しないエア・ドゥ。信じられないような偽装工作で国の補助金を騙し取ろうとした雪印食品も、そして醜態をさらした鈴木宗男氏もまた、つきつめて言えば、悪しき北海道体質の現れではなかろうか。
3月危機が叫ばれ、NGO論争のさなかに議員辞職した大橋巨泉氏が言い放った「このままでは日本沈没」もありえないことではないという厳しい局面となってきた。小泉政権は待ったなし、実効ある政策が問われている。われわれ道民も、悪しき体質から抜け出すことが待ったなしで迫られているのである。
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