2002年 7月号 No.403


首領(ドン)・廣野忠雄氏、壮絶な最期
 
 紛れもなく旭川政財界のドン(首領)だった廣野忠雄氏(廣野組会長)が6月8日深夜、不慮の死を遂げた。喜寿の誕生日を1ヵ月後に控えた、76歳11ヵ月の壮絶な最期だった。大きな柱を突然失い、今後の旭川がどうなっていくのか。廣野氏に代わる人材が見当たらないだけに、政財界の主導権争いを伴う大きな混乱も予測される。

東光スポーツ公園を凍結する勇気を持て
 
 借金(市債残高)が1850億円あり、積立金や貯金(減債基金・財政調整基金)も底を突きつつある旭川市で、「なぜこんな時期に?」と市民に大きな疑問を抱かせる大規模事業が進められている。平成32年までの20年計画で、すでに昨年から用地買収に入っている東光スポーツ公園のことである。施設そのものの緊急性にも疑問符がつけられ、さらに反当たり500万円という高額な農地買収価格も問題視されている。

権力集中?旭川薬剤師会にくすぶる不満
 
 旭川医大や市立旭川病院など、公的病院の門前で調剤薬局を営業する(株)旭薬調剤センターは、旭川薬剤師会(松野和彦会長)の会員が出資して設立した会社。旭川薬剤師会の松野会長が社長を兼務するが、「非常勤で、出社しても1日1時間程度。それなのに高給を取りすぎる」「薬剤師会の会長が社長を兼務することは、権力が集中しすぎて問題」と会員の中で不満がくすぶっている。

職員250人削減、旭川リノベーションプロジェクト
 
 危機的状況に陥っている財政事情を背景に一般財源50億円の確保と市職員250人削減を大きな目標とする旭川版・行財政改革「リノベーションプロジェクト」。すべての事業をゼロベースから組み立て直すとともに、事業費の大幅削減や事業の廃止を検討、寒冷地手当て(燃料手当て)を中心とする諸手当のカットや現業部門の民営化などが検討されている。10月には具体的な取り組み案が示されるが、労働組合の激しい抵抗が予想されるほか、意外にも市民が改革断行の“抵抗勢力”となりそうだ。

平成13年度 高額納税者番付
 
 

あいプラン VS ベルコ熾烈な葬儀獲得合戦
 
 旭川市神居1条2丁目の旭川斎場が、札幌の冠婚葬祭あいプラングループに営業譲渡された。あいプランは札幌を舞台にベルコとトップ争いを続けている道内冠婚葬祭業界の雄。旭川でも地元業者を巻き込んだ熾烈な闘いが繰り広げられそうだ。

和嶋昌幸旭川市助役の途中降板秒読み?
 
 6月19日に開かれる道北バスの株主総会で社長交代が予定されている。赤坂稔社長が会長に退き、新社長には旭川振興公社の宗万明氏が就任する見込みだ。そこで気になるのが、振興公社社長ポストにからんだ和嶋昌幸助役の去就。「12月の任期切れを待たずに途中降板の可能性が一層高くなった」(議会関係者)と言われる。(記事は6月5日現在)

今月の視点
観光都市を目指すために......西田 勲
 

 6月4日付け読売新聞道北版に、辛口のコラムが掲載されていた。タイトルは『観光都市への道のり遠く』で、4月に開かれた日本消化器学会に参加した医師らへのアンケート結果をもとにしたものである。

 コラムでは、「観光情報が少なく、どこへ行ったらよいのかわからなかった」「観光スポットがラーメン村ぐらいで少ない」「宿泊したホテルのタバコ臭さが不快だった」「いつもは4500円で利用できる部屋なのに8500円とられた」「宿泊料金に比べてホテルがあまりにも不便でサービスが悪かった」などの手厳しい意見を紹介。「『観光都市』はかけ声だけと思わざるを得ない。地元に住む人間として悲しい」と、旭川市や観光協会の取り組み姿勢に疑問を投げかけている。

 

 4月24日〜26日までの3日間、市民文化会館などを会場に開かれた同学会には約4300人が出席した。アンケートは、最終日26日に行われたもので、380枚の用紙が配布されうち221枚が回収されている。回収率は58・2%であった。

 アンケート結果を私も見せてもらったが、ホテルに対する厳しい意見には少々、驚かされた。何か、誤解やトラブルがあったのではないかとも思ったが、学会に出席する医師たちは全国を歩き数多くのホテルを利用している。それだけに施設やサービスの質に敏感で、厳しい意見が出たということなのだろう。「市内のホテルはリストラでスタッフが減りサービスが落ちている」との声もあるが、いずれにしてもこのまま放置しておける問題ではない。

 旭川市ではこの後、1万人規模の全国高校PTA連合会全国大会、8000人規模の日本青年会議所全国会員大会などが予定されている。不況下で地場産業が振るわない経済情勢下では、イベントを誘致開催し観光産業を盛り上げていくことは一段と重要性を増している。ホテル・旅館業界は早急に実態を調査し、事実ならすぐに改善策を打ち出す必要があるだろう。

 ただうれしいことに、今回のアンケートでは旭川に対し好意的な意見、高く評価する声も数多く寄せられている。「旭川市民は親切」「街は清楚」「道路が広く自然環境が素晴らしい」「ゴミが落ちていない」「物価が安い」「ラーメンがおいしい」「優佳良織工芸館が素晴らしい」などなどあげればきりがないほどである。

 そして何より心強いのは、旭川を再び訪れたいですかとの設問に221人中205人もの人が「また訪れたい」と答えているのである。

 今月29日にJR旭川駅舎内に『観光情報センター』がオープンする。観光客がここに来れば、旭川だけでなく道北一帯の観光情報をパソコン画面で得られるシステムを整備。観光ポスターやパンフレットも常備するという。道北の特産品を一堂に集めた物産館的な機能は予算の関係で見送られたが、現在買物公園にある観光案内所よりもかなり充実したものとなる予定だ。

 必ずしも満足のいくものではないかもしれないが、誕生する観光情報センターに期待したい。そしてセンター誕生を機に、長年の課題であるバスターミナル構想を再考してもらいたいと思う。観光振興を街の重要な施策と位置づけるなら、やはり旭川駅周辺にバスターミナルは必要である。物産館的な機能も、中心街にある空き地や空きビルを活用して実現したら良いと思う。

 訪れた人だれもが「旭川は素晴らしい。また来たい」と思える観光都市を目指してもらいたいものだ。