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21世紀最初のサッカーワールドカップが幕を閉じた。どちらかといえば私はスポーツオンチの方だが、この1か月間は一流サッカー選手の華麗な技やスピード、力強さに魅了され、テレビに釘付けとなった。
特に日韓両チームの活躍には感動した。日本はベスト16に残り、韓国は4強まで進む快挙を成し遂げた。
アジアの代表としてヨーロッパや南米の強豪と闘う両チームに、お互いの国が熱い声援を送り、また多くのサッカーファンが両国の間を行き来し交流を深めた。特に日本人サポーターは、懸命にそして楽しく韓国を応援し、その姿はテレビ画面を通して韓国の国民に伝わった。3位決定の韓国―トルコ戦では、街頭で日韓サポーターが肩を組み声援を送る光景も見られた。
世界最大のスポーツイベント共同開催によって、これまでの「近くて遠い国」の意識が、「親しみのもてる隣国」に変化する兆しが見え始めたと感じる。両国のサッカーチームが新しい歴史を刻んだと同様に、日韓交流にもまた大きな足跡が残されたと言えるだろう。大会後に共同通信社が世論調査を行っているが、「今回の共同開催が日韓の関係強化にプラスになった」と答えた人が82・6%に達している。
それにしても韓国は強かった。強豪相手にひるむことなく挑む選手たちもすごかったが、『赤い悪魔』と呼ばれたサポーター達のケタ外れのエネルギーは、韓国の新しいイメージとなった。
欧米からアジアを見た時、日本や中国の存在が大きく、韓国は北朝鮮との対立で政情不安な国という印象があったと思う。しかしそうしたイメージは一掃され、パワフルで明るい国との印象を世界に与えた。
経済効果も大きかったようだ。
韓国は97年から98年に通貨危機に見舞われIMF(国際通貨基金)の管理下となるほど一時経済が弱体化したが、そこから復活し、今回のワールドカップでは国家予算に匹敵する約10兆円の経済効果が生まれ、すっかり好況に転じたという。
日本の印象も良いものだった。
各国のキャンプ地となった自治体は市や町をあげ親身になって世話をし、日本人サポーターは自国チームだけでなく他の国のチームも隔てなく応援した。外国人には親切でさわやかな国民と映ったようである。
また、集団主義という暗いイメージもかなり解消されたのではないかとも思う。日本チームの戦い方は個人技ではなく組織力であったが、髪型が個性的な戸田、世界レベルのシュート力を見せた稲本などに代表されるように皆それぞれに個性的であった。集団から個へ、自分をアピールして大きな舞台で活躍できる若い世代が育っていることを強く印象付けてくれた。
1か月間繰り広げられた熱戦を、延べにして世界で350億人が見たのだそうだ。代表チームのイメージはそのまま国のイメージとなりパワーとなる。軍事力、人口、技術力などがそれぞれの国力を示す物差しとされるが、イメージや人気といった『ソフトパワー』もこれからは重要な要素となってくる。
世界を相手に逞(たくま)しく闘ってくれた日本選手は新しい日本像である。ワールドカップが終わって寂しくなったが、熱い思い出を胸にJリーグを応援し、4年後ドイツで開催されるワールドカップでの日本、そして韓国の活躍を楽しみにしたい。
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