2002年 8月号 No.404


謎深まる廣野忠雄氏惨殺事件
 
 廣野組会長・廣野忠雄氏(76)の惨殺事件からすでに1ヵ月以上が経過。捜査員を大量動員した北海道警察の緻密な捜査にもかかわらず、いまだ容疑者は絞り切れていない模様。こうした状況から旭川市民は、非情な犯人像をめぐり、探偵気分で、街のあちこちで推理小説なみのストーリーを組み立てている。
 警察がどこまで情報をつかんでいるのか、ほとんど漏れてこない厳戒体制の中で事件の核心を突くのは難しい。ここではあくまでも「街に流れるウワサに基づいて」という断りのもとに、謎多い殺人事件を追ってみることにする。(記事は7月5日現在)

首領・廣野氏失い旭川経済界はどうなる
 
 旭川政財界のドン(首領)と呼ばれた廣野組会長廣野忠雄氏の非業の死は各方面に波紋を呼んでいる。正副会頭人事さえも廣野氏の意思が色濃く反映されてきた。ドンを失って経済界はどう変わるのか。混乱か、あるいはHグループのクサビから解き放たれて新たな動きが芽生えるのか。

旭川市長選 自民党が対立候補擁立に前向き
 
 旭川市民がいま最も注目する市長選の対立候補問題は、まさに青天の霹靂だった廣野忠雄氏暗殺?事件の影に回ってしまった感も否めないが、実際にはドンの支配体制が崩れ、自由にものを言える体制が生まれたことにより、これまで以上に活発に動き始めている。まだ候補者の特定には至っていないが、対立候補擁立の動きにも具体性が増し、3選出馬が確定的な菅原功一市長の独走は微妙な情勢になっている。

RCCが破産申請 本間興業はどこまで抵抗できるか?
 
 本間興業とそのグループ企業6社に対し、RCC(債権回収機構)が第三者破綻申請を提出している。旭川地裁が各社の財産状況を調べ債務超過が判明すれば破産が宣告される見通しだ。(記事は7月6日現在)

酷評される旭川市市民参加推進条例
 
 「これでは“市民不参加条例”だ」「いや“市民参加制限条例”の方が的を射ている」。第2回定例旭川市議会に提案された「市民参加推進条例」の評価がすこぶる低い。市政に市民の意見を反映させ、市民が主役の街づくりを目指そうという条例であるにもかかわらず、見ようによっては、市民の市政参加を制限するものになっているからだ。

ポテト、FMりべ〜るが初の黒字決算
 
 3月期決算企業の株主総会が相次いで開催されたが、創業以来、厳しい経営が続いていた旭川ケーブルテレビ(株)・ポテト(松山宏社長)と(株)旭川シティネットワーク・FMりべ〜る(柳沢紀夫社長)がそろって初の黒字決算となった。地道な営業努力の成果だ。

旭川開建職員83人が賭博行為で処分
 
 旭川開発建設部(職員655人)の職員が大相撲の優勝力士や高校野球の優勝校を当てる賭博行為を職場で行っていたとして、職員83人を処分した。公務員の不祥事が相次いでいるが、この賭博行為には職場の1割近い職員が参加しており、公務員としての自覚のなさには、まったく呆れ返るばかりだ。

タイムリーインタビュー
道北バス(株)代表取締役 宗万 明 氏
 
 道北バスの新社長に振興公社前社長の宗万明氏が就任した。マイカーの普及で利用者が半減、規制緩和で新規参入が可能になるなど厳しい競争を強いられている中での社長就任。畑違いではあるものの、行政マンとして長年市政に貢献してきた宗万氏の手腕に期待する声は多い。新社長としての抱負、今後のバス業界のあり方などを聞いた。

今月の視点
観光都市を目指すために......西田 勲
 

 21世紀最初のサッカーワールドカップが幕を閉じた。どちらかといえば私はスポーツオンチの方だが、この1か月間は一流サッカー選手の華麗な技やスピード、力強さに魅了され、テレビに釘付けとなった。 

 特に日韓両チームの活躍には感動した。日本はベスト16に残り、韓国は4強まで進む快挙を成し遂げた。

 アジアの代表としてヨーロッパや南米の強豪と闘う両チームに、お互いの国が熱い声援を送り、また多くのサッカーファンが両国の間を行き来し交流を深めた。特に日本人サポーターは、懸命にそして楽しく韓国を応援し、その姿はテレビ画面を通して韓国の国民に伝わった。3位決定の韓国―トルコ戦では、街頭で日韓サポーターが肩を組み声援を送る光景も見られた。

 世界最大のスポーツイベント共同開催によって、これまでの「近くて遠い国」の意識が、「親しみのもてる隣国」に変化する兆しが見え始めたと感じる。両国のサッカーチームが新しい歴史を刻んだと同様に、日韓交流にもまた大きな足跡が残されたと言えるだろう。大会後に共同通信社が世論調査を行っているが、「今回の共同開催が日韓の関係強化にプラスになった」と答えた人が82・6%に達している。

 

 それにしても韓国は強かった。強豪相手にひるむことなく挑む選手たちもすごかったが、『赤い悪魔』と呼ばれたサポーター達のケタ外れのエネルギーは、韓国の新しいイメージとなった。

 欧米からアジアを見た時、日本や中国の存在が大きく、韓国は北朝鮮との対立で政情不安な国という印象があったと思う。しかしそうしたイメージは一掃され、パワフルで明るい国との印象を世界に与えた。

 経済効果も大きかったようだ。

 韓国は97年から98年に通貨危機に見舞われIMF(国際通貨基金)の管理下となるほど一時経済が弱体化したが、そこから復活し、今回のワールドカップでは国家予算に匹敵する約10兆円の経済効果が生まれ、すっかり好況に転じたという。

 日本の印象も良いものだった。

 各国のキャンプ地となった自治体は市や町をあげ親身になって世話をし、日本人サポーターは自国チームだけでなく他の国のチームも隔てなく応援した。外国人には親切でさわやかな国民と映ったようである。

 また、集団主義という暗いイメージもかなり解消されたのではないかとも思う。日本チームの戦い方は個人技ではなく組織力であったが、髪型が個性的な戸田、世界レベルのシュート力を見せた稲本などに代表されるように皆それぞれに個性的であった。集団から個へ、自分をアピールして大きな舞台で活躍できる若い世代が育っていることを強く印象付けてくれた。

 1か月間繰り広げられた熱戦を、延べにして世界で350億人が見たのだそうだ。代表チームのイメージはそのまま国のイメージとなりパワーとなる。軍事力、人口、技術力などがそれぞれの国力を示す物差しとされるが、イメージや人気といった『ソフトパワー』もこれからは重要な要素となってくる。

 世界を相手に逞(たくま)しく闘ってくれた日本選手は新しい日本像である。ワールドカップが終わって寂しくなったが、熱い思い出を胸にJリーグを応援し、4年後ドイツで開催されるワールドカップでの日本、そして韓国の活躍を楽しみにしたい。