2002年 10月号 No.406


旭川市長選挙始動! 短期決戦へ
 
 現職で3期目を目指す菅原功一氏(58)と、新人で道議1期目の東国幹氏(34)を柱とする、実質8年ぶりの旭川市長選挙が行われることになった。このほか、共産党系候補や保守系第3の候補の出馬もウワサされるが、現状では両者の一騎打ちの様相が濃い。11月3日の告示(投票は10日)まで50日を切り、いよいよ市長選が動き出している。ともに申(さる)年生まれで年の差は二回り。世代を超えた激戦が予想される。(記事は9月7日現在)

市長候補擁立問題 水面下で苦悩した森山病院理事長 森山領氏
 
 11月3日告示の旭川市長選に向け、9月5日に東国幹氏、翌6日に菅原功一氏が立起を表明、混迷、激戦が予想される選挙戦に突入したが、菅原氏の対抗馬として東氏が名乗りを挙げるまでには、水面下で様々な探り合いがあった。その渦中、本人の意思とは関わりなくウワサが一人歩きして苦悩した人物がいる。森山病院理事長の森山領氏(48)である。森山氏に一連の経過と心境を聞いた。(9月5日)

ベルコ VS 生花店・葬儀会社が全面戦争
 
 葬儀には欠かせない供花を巡って、冠婚葬祭互助システム大手で旭川地区では最大シェアを占める(株)ベルコと、市内の生花店・葬儀会社との間で火花が散っている。ベルコが、運営する会館への供花の持ち込みを来年4月から禁止する方針を打ち出したのに対し「好きな店と花を選んで弔慰(ちょうい)を表したいという消費者の自由を奪う」と反発が強まっているものだ。

不況長期化、会員減に悩む経済・親睦団体
 
 経済団体や親睦団体の会員数減が続いている。主因はやはり、長期化する不況。倒産、廃業、経営不振で脱会を余儀なくされるケース、また「負担に見合うメリットがない」とやめていく会員も少なくない。会員減に悩む旭川商工会議所では今、組織挙げての勧誘作戦に取り組んでいる。

住基ネット稼働 旭川市民の個人情報は大丈夫か?
 
 市町村のコンピュータを専用回線で結び、本人確認情報を国の機関や都道府県が必要に応じて利用できる住基ネットの稼働が始まったが、個人情報の流出などを不安視する声が圧倒的。住民票コードを通知する際の不手際も目立ち、トラブルは後を絶たない。旭川市は、何の懸念もなく、住基ネットに接続しているが、市民の個人情報は大丈夫なのか。

石田病院が北彩都D地区を取得か
 
 旭川駅周辺開発事業「北彩都あさひかわ」の区域にあり、日本鉄道建設公団の公募売買物件となっていた宮下9丁目の通称「D地区」(旭川駅前広場東側に位置する約2300坪)を医療法人仁友会・石田病院(石田初一理事長)が取得することになった。旭川の表玄関として注目を集めていた地区だけに、地元の医療法人が取得することに関係者は歓迎の意向を示しており、同法人も「駅前にふさわしい病院にしたい」と意欲を見せている。

不況で人気の自衛官募集
 
 かつては不人気職種の代表格のような存在だった自衛官。年がら年中、隊員募集しているイメージがあったが、長引く不況でそうした事情も大きく様変わりした。高卒者ばかりでなく大卒者、社会人も採用試験にチャレンジするようになり倍率は3倍から10数倍という狭き門となっている。

【市長選】市民600人対象「世論調査」結果
 
 11月3日告示、10日投票の旭川市長選挙が近づく状況の中で、市内の経済人グループが札幌の調査機関に委託、8月3日、4日にかけて行った市長選に関する世論調査がまとまり、本誌はそれを入手した。2期8年の菅原功一市長の市政執行に対する評価や、望まれる市長像などを市民に聞いたもので、現職で3選を目指す菅原市長にとってはかなり厳しい結果となっている。

タイムリーインタビュー
旭一 旭川地方卸売市場 中川竹志社長
 
 旭一旭川地方卸売市場(株)の社長職を5期10年にわたって務めた工藤善美前社長(現・会長)に替わり、前専務の中川竹志氏が5代目社長に就任して2カ月。入社以来、営業畑を歩き続け、好不況の波を肌で感じてきた中川氏はまだ51歳という若さ。「企業は人」を経営理念に舵取りにあたる中川氏に流通業界の現状、課題などを聞いた。

今月の視点
市長選の争点となる東光スポーツ公園......西田 勲
 

 注目された長野知事選で田中康夫前知事が圧勝した。「独善的」と県議会などから強烈に批判された田中氏だが、無党派層中心に長野県民は脱政党の政治手法を支持したのである。

 「脱ダム」を掲げた田中氏が再選されたことは、従来のように大きな公共事業を公約に掲げた選挙は成り立たないことを示しているのだと思う。長野県の場合、旧体制(自民党支配)下で過去に道路や施設建設などに巨額の公共投資が行われ、その結果、県は1兆6000億円もの借金を抱えてしまった。多くの県民はこの巨額の借金に強い危機感を抱いており、「借金を増やすだけの公共投資はノー!」と審判を下した。

 また、土建業界や労働組合などが核となった従来の組織型選挙では票が動かない、勝てないという政治の流れは長野県にとどまらず全国的な風潮と見られ、各党とも来春の統一地方選へ向けて新たな対応を迫られている。

 さて、公共投資のツケと税収落ち込みで財政が逼迫(ひっぱく)しているのは長野県に限らない。全国ほぼすべての自治体が同じような状況にあり、もちろん旭川市も例外ではない。

 現在、旭川市は1850億円の借金を抱えている。借金返済に備えた積立金や貯金も、今年度予算編成にあたってほぼ使い果たしてしまった。「早急に改革に取り組まなければ来年度以降、予算が組めない。このままでは市の財政は破綻してしまう」と警鐘を鳴らす市議もいる。

 先に菅原市長は、来年度の事務職員と技術職員の新規採用凍結を決め、今後4年間で250人の職員を削減すると発表したが、言うまでもなく逼迫した財政を改革するための方策である。ところがその一方で総事業費何と250億円(国の補助金を含めて)の巨費を投じて東光地区に東光スポーツ公園を造ろうとしている。

 東光スポーツ公園は、現在の花咲スポーツ公園を上回る規模で、軟式野球場4面のほか球技場2面、テニスコート、パークゴルフ場、さらに体育館や武道館、プールなどを備えた複合施設建設構想である。すでにこの2年間で用地買収などに16億円余りが投入され着々と進んでいる。

 実はこの東光スポーツ公園の計画が浮上したのは今から10年以上前のことである。日本経済に陰りが出始めた頃だが、まだまだ自治体も企業も財政に余裕があった。しかしその後、ご存知のように景気は大きく後退し企業倒産が相次ぎ、失業者は増大している。市の財政も極めて厳しいものとなっている。

 スポーツ公園完成は平成32年の予定だが、少子化がさらに進んで人口は30万人を大きく割り込んでいる可能性が高い。当然、スポーツ人口も減っていることだろう。大きな施設は維持費も多額で、またかかった事業費の返済も迫られるのである。経済情勢の好転がそう簡単には望めそうもない実情での事業継続は、次の世代に大きな負担を残すばかりとの声が強い。

 11月には旭川市長選が行われる。すでに現職の菅原氏と現道議の東氏が立候補を表明しているがこの東光スポーツ公園構想については菅原氏は「長年かけて実現を目指す」とし、東氏は「見直し」を記者会見等で表明している。

 選挙は政策で争うものであり、そういった意味で面白い選挙になりそうだ。ぜひ候補者はこの大事業着工の是非を有権者に熱く解りやすく語ってもらいたい。

 長野県知事選は「脱ダム」が争点であったが、旭川市長選は「東光スポーツ公園の継続か凍結か」が大きな争点となりそうだ。