法律相談に際してのお願い
最近の不況等の世相を反映したためか多重債務等をめぐる法律相談が増えています。今回は多重債務を含めた法律相談を受ける際の弁護士からのいくつかのお願いを検討しましょう。

 最近の不況を反映してか個人の多重債務の相談や会社の倒産をめぐる相談が多いですね。

 個人の方からの多重債務の相談で思うのですが、いきなり電話等で個人再生の手続をしてほしいといった申し込みなどは正直いって困りますね。
 多重債務の処理では、自己破産・特定調停・任意整理・個人再生といった方法があり、それぞれ長短・要件がありますから、いきなり個人再生の手続をしてほしいとの申し入れを受けても、できかねることがありますから、まず多重債務一般の解決方法を弁護士から聞いてもらいたいと思います。

 確かにそうですね。とにかく個人再生手続以外の方法は視野にないといったかたくなな要望には、場合によってはできません、無理ですと言わざるを得ないこともありますね。
 個人再生の場合、収入が継続的または反復したものが見込めること、あるいは給与または定期的収入の見込みがあることが要件ですが、そもそも職がないとかこれから職が決まる予定であるといった方の場合、個人再生自体できませんし、また、負債の上限も3千万円(住宅ローンを除く)とされていますから、3千万円を超える負債をお持ちの方は再生手続自体ができません。
 個人再生手続は、破産・免責と違って、負債をゼロにする手続ではなく、負債を減額してもらい、減額後の残金を原則3年で支払うというものですから、定期的にいくらのお金を返済できるかといった計画を立てることが必要になります。この計画すら立てられない方がかなりおられますから。

 ですから、まず弁護士にどういった方法を選択するのがベターかという視点で相談していただきたい。
 また、相談に際しては、債権者のリスト(おおよその債権額、借入会社名と住所、支店名、借入時期を記載したもの)を用意していただきたいですね。
 加えて、多重債務の方は、弁護士費用を含めた手続費用の捻出が覚束ない方がいますから、その点について双方誤解のないように曖昧なお話は避けるべきでしょうね。

 企業の倒産にあたっても、数日後に不渡りになりますといった時間的にほとんど余裕のない相談あるいは事件依頼は閉口しますね。企業の経営者であれば、債権者や取引先だけでなく、従業員に対しても責任があるわけですから、それ相応の時間的見極めが必要でしょう。
 また、嫌な言い方ですが、地獄の沙汰も金次第で、企業の破産の場合、裁判所への予納金だけで、負債額によって変わりますが100万円〜400万円のお金が必要になります。民事再生の場合は、予納金の額が破産の場合以上に高額になりますから、予納金すら準備できなければ法的手続の採りようがないといったことにもなります。
 企業の倒産の場合も破産・民事再生を問わず、企業の動産、不動産が把握できる一覧表、金融機関、取引先等の債権者を分けた債権者の一覧表といったものを最低限、相談にあたっては準備していただきたいですね。