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Q 街で見ず知らずの男に因縁を付けられ、顔面を一発殴られた上、現金5万円を脅し取られました。警察に被害届を出し、しばらくして犯人が逮捕されましたが、その後の状況が分からないし、奪われた現金もまだ戻ってきません。
成 被害者やその家族は、被害者連絡制度により、担当捜査員から捜査状況について知らせてもらうことができますので、警察に連絡してみてください。
犯人が逮捕されると、48時間以内に検察官に送致され、逮捕から72時間以内に裁判所に勾留請求がなされます。勾留決定されると、被疑者は10日間勾留され、取り調べを受けます。10日経っても勾留延長が認められれば、さらに通常10日間勾留されます。それまでに検察官が起訴するか、不起訴にするかを決めます。起訴には公開の法廷で開かれる裁判を求める公判請求と、非公開の裁判で罰金・科料を命ずることを求める略式起訴があります。検察官が略式起訴する場合は、法定刑に50万円以下の罰金または科料を科しうる罪について被疑者に異議のないときに限られます。
あなたの受けた被害は、傷害と恐喝と思われますが、恐喝罪の法定刑は懲役刑のみですから、略式起訴ということはあり得ず、検察官は公判請求するか、不起訴にするか、いずれかの処分をすることになります。
検察官が起訴・不起訴を判断するにあたっては、再度・被害者の処罰感情を確認しますので、処分を決める前に検察官からあなたに連絡があるでしょう。
富 また、被疑者の家族または被疑者の弁護人からあなたに示談の申し入れがあるかもしれません。
弁護人らは、起訴前においては、被疑者の不起訴を、起訴後は被告人の刑の軽減ないし執行猶予の獲得を目指して、示談を申し込んできます。
示談とは、本来、民事上の損害賠償などの解決方法の一つですが、刑事事件においては、示談成立の有無が起訴・不起訴、刑の軽重、執行猶予の有無を大きく左右します。
もちろん、示談に応じるか否かはあなたの自由です。示談する場合の注意点として、示談金はできる限り示談時に現金一括で支払ってもらうことが挙げられます。分割払いになるときは、相手が分割金の支払を怠った場合には残金一括請求できること、直ちに強制執行できることを公正証書に記載するか、刑事和解をすることをお勧めします。刑事和解とは、当該事件の係属する裁判所に対し、被告人及び被害者が共同して申し立てることによって、両当事者間の刑事事件について民事上の損害賠償の合意を公判調書へ記載することを求めることができる制度であり、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有します。つまり、そのような手続をしておけば、改めて民事訴訟を提起しなくても、被告人が示談金の支払を怠った場合は、被告人の財産に対して強制執行することができるのです。被告人に財産がないような場合は、被告人の身内など資力ある第三者に公判期日に出頭してもらい、その者に被告人の示談金支払債務について保証してもらうことも可能です。
成 よく被害者の方から、示談をしたら加害者は刑罰を受けずに済んでしまうのですか、という質問を受けます。
確かに、起訴前に示談をして、検察官が示談成立を理由に不起訴にするということはよくあります。この場合、加害者は刑罰を受けることにはなりません。しかし、示談が成立しても、犯罪によっては、検察官が略式起訴すれば加害者は罰金や科料という刑罰を受けることになります。
起訴後の示談であれば、示談が成立したからといって、刑事裁判自体をしないということはありません。裁判所は、示談の成立を考慮した判決をするのであり、刑罰が下されるのです。
富 検察官が不起訴にした場合、被害者は検察官に対し、不起訴にした理由の告知を求めることができます。不服があれば、被害者は検察審査会に審査の申立てをすることができます。検察審査会が検察官の不起訴処分の当否を審査し、「不起訴不当」あるいは「起訴相当」との議決をした場合は、検察官は事件を再検討しますが、これらの議決に拘束力はありません。
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