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Q 私は、月収手取り20万円ほどの会社員ですが、消費者金融3社から合計250万円ほど借り入れがあり、毎月の返済総額は約10万円になります。家族は妻、3歳と1歳になる子供がおり、妻は子育てに忙しく、パートに出る余裕はありません。生活が苦しく、このままでは返済を続けることができません。何か方法はないでしょうか。
成 あなたのように経済的破綻に陥っている人の救済方法として、自己破産、個人再生、特定調停などの手続も考えられますが、ここでは、任意整理についてご説明しましょう。任意整理は、弁護士等が介入することにより、残債務総額を利息制限法に引き直した上、引き直した残債務総額、債務者の返済能力等を勘案して、債権者と債務者間で新たな分割弁済の合意等をする手続であり、他の手続と異なって、裁判所を利用しない私的な再建手続です。
自己破産する場合は、その後に免責決定を得ないと債務がなくならないのですが、免責が困難な場合や破産したくない場合に任意整理という方法が考えられます。
富 任意整理の成否のポイントは債務総額を利息制限法に引き直した結果、どの程度の金額になるかです。利息制限法では、10万円未満の貸付では年20%、10万円以上100万円未満の貸付では年18%、100万円以上の貸付では年15%を、それぞれ超える利息の定めは無効とされており、超過利息を支払った場合は元金に充当されたという主張ができます。もっとも、貸金業法では「みなし弁済」という規定があり、貸金業者が一定の要件を充たした場合は利息制限法を超過する利息の領収も認められていますが、この要件を充たすことは希です。
実際、消費者金融業者は出資法における高金利処罰の上限利率が29・2%であることから、25%から29・2%という約定金利を設定しており、利息制限法を超過する利息を取っており、弁護士が介入して残債務総額に利息制限法を適用すると残債務が減少することがほとんどです。消費者金融業者との取引がかなり長く、返済した利息も相当多い場合は、超過利息を元金に充当すると、とっくに元金は無くなっているケースがあり、このような場合は業者に払いすぎた利息の返還を求めることもよくあります。このように利息制限法に引き直すことで相当負債が圧縮でき、これを3年程度の分割払いにすれば毎月の返済額は相当減額され、その金額を返済していければ任意整理は可能でしょう。
成 われわれ弁護士が任意整理の代理人として苦労するのは、債務者と債権者との間で、今までいついくら借り、いついくら支払ったかという取引経過の明細を入手することです。債務者本人がこのような明細を持っていることはほとんどなく、債権者に過去の取引経過の開示を求めていくことになります。金融庁事務ガイドラインでは、貸金業者が債務者等から取引の開示を求められたときは協力することとされていますが、全ての債権者がこれを忠実に守って過去の全ての取引を開示することは少なく、過去3年分しか開示してこなかったり、全く開示してこない業者もいます。債権者にとっては、利息制限法引き直しによって残元本が減らされ、場合によっては過払い請求を受けるなど損をする訳ですから、種々の理由を付けて取引開示に非協力的な対応をするのです。我々はねばり強く業者と交渉して開示を求めるのですが、過払いになるケースではいくら求めても開示を拒否する業者が増えており、対応に苦慮しています。
富 このような非協力的な対応をする貸金業者に対して、弁護士から監督官庁に行政処分の申立てをすることもありますが、残念ながら、あまり効果はありません。私の場合は、開示をしない業者には過払い金返還請求の訴訟を提起し、訴訟で取引開示を求めるという方法をとっています。
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