| Q★ | 私の父は兄夫婦と同居していますが、父が90歳と 高齢で、最近認知症となり物忘れなどが激しいようで、兄夫婦は私から見れば父の預金を勝手に解約して兄が経営する事業資金などに消費しているようなのです。 ★ |
| | 父にそのことを話しても、私の言っていることの半分も理解できていないようなのです。このままだと、父の財産が兄のいいように使われそうなのですが、どのように対処したらいいでしょうか。 ★ |
| 成 | 高齢者や知的障害のある方の財産が第三者に狙われる、あるいは親族から流用されるといったことがみられますね。このような財産侵害を防止するために成年後見制度を利用することをお勧めします。 ★ |
| | 成年後見制度には法定後見制度、任意後見制度があります。任意後見制度は、ご本人が自らの意志で、自らが信頼できる人を任意後見人候補者として選び、委託する事項を公正証書による契約で委任し、ご本人の判断能力が衰えたときに任意後見を開始させる制度です。 ★ |
| | あなたのご相談の場合、すでにご本人が認知症のようですから、意思能力、行為能力に問題があるので、任意後見制度手続きをとることは無理でしょう。従って、法定後見制度の利用を考えるべきですね。 ★ |
| 富 | 法定後見制度は判断能力の衰えた程度により、補助、保佐、後見の3つの類型があります。 ★ |
| | 高齢で、認知症である場合は法定後見制度を利用することが相当でしょうから、法定後見制度についてご説明しましょう。 ★ |
| | 後見制度は、家庭裁判所に後見開始の審判の申立をし、家庭裁判所が後見人を選任します。後見人が選任されるとその後見人は本人の法定代理人として本人の財産の包括的な管理人となり、また、本人の行った法律行為の取消権も有することになります。 ★ |
| | 仮に、訪問販売などの悪徳商法により売買契約をしてしまった場合には当該売買契約を取り消すこともできますし、ご本人の財産が持ち出されてしまった場合には、返還請求や損害賠償等の訴訟行為もできます。 ★ |
| 成 | 後見開始の審判の申立を行うことができるのは、配偶者、4親等内の親族です。 ★ |
| | 申立に際して最低限必要な資料は1.本人の戸籍謄本2.本人の戸籍の附票(場合によれば住民票)3.本人の成年後見登記がないことの証明4.申立人の戸籍謄本5.診断書(本人の判断能力の充足の有無を確認するもので重要)6.仮に後見人候補者がいればその候補者の資料―などです。 ★ |
| Q | 弁護士さんに申立手続きを委任しないで私が申立てようとする場合の費用はどのくらいかかるのでしょうか。 ★ |
| 富 | 後見開始の申立の手数料(印紙代)は800円、郵券が3000円から5000円です。問題は、診断書作成のための鑑定費用でしょうね。判断能力の存否、程度に関する医師の鑑定費用が10万円前後かかり、この10万円前後の費用を裁判所に予納することを求める裁判所もあります。 ★ |
| | 鑑定費用は裁判所が一律に決めるものではなく、基本的には鑑定人がいくらで鑑定を引き受けるかによるものですが、目安として10万円前後と申し上げておきましょう。 |