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高齢者施設等の金銭等の管理について |
高齢者施設等における利用者の金銭等の管理について入所施設やグーループホームの増加にともない入所者の金銭管理上の問題も指摘されてきています。今回はこれら施設での金銭管理について検討してみます。 |
- Q 高齢者の入所施設を運営していますが、施設利用者の金銭や貴重品の管理に頭を痛めています。入所者は自分で管理できる人、判断能力がない人、家族の協力を得られない人など様々です。預かった貴重品類が盗難、紛失した場合の責任もあり、管理する上での留意点を知りたいのですが。
- 成 まず、施設は本来、福祉サービスの提供という目的で存在するものですから、本人の日常生活に必要な範囲を超えて多額の財産を管理することは施設の目的を逸脱しますので、本人の日常生活に必要な範囲で通帳、印鑑、現金等(以下、現金等)を預かるということを原則とすべきですね。
また、施設が現金等を預かって管理することは利用者との金銭管理契約に基づく、この契約により正当化されるということを銘記すべきですね。実体は、相当安易に運用されているように思えますから。
- 富 そこで、利用者の判断能力に応じて次のとおり場合わけすることが必要でしょう。
1.利用者本人の判断能力に問題がない場合は、本人の依頼があれば本人との金銭管理契約に基づいて日常生活に必要な範囲内の現金等を施設が預かって管理する。日常生活に必要な範囲を超える多額の金銭等は家族に管理してもらうか、弁護士等との財産管理契約により管理する
2.本人の判断能力がない、あるかどうか問題があるが、家族の協力が得られる場合には、家族に成年後見人の選任手続きをとってもらい、日常生活の範囲内の金銭等の管理は施設と成年後見人との契約により預かり管理をし、日常生活の範囲を超える財産は成年後見人が管理する
3.本人に判断能力がないか、あるかどうか不明で、しかも家族がいない、家族の協力が得られない場合には、さしあたりの処置として管理等を行わざる得ないが、可能な限り、本人が住民登録をしている市町村に働きかけ、市町村長による成年後見人選任手続きをしてもらうよう努力する、ということになるでしょう。
- 成 施設で管理中の現金等が紛失、盗難にあった場合には施設にはその損害を賠償する責任が生じます。さらには管理方法が杜撰である場合には行政上の処分を受ける可能性もあります。
ですから、利用者の現金等を預かる場合には、財産管理契約、預かり契約などを行っておく、その前提として施設独自の預かり金等取扱い規程を定めて管理体制を整備する、さらには預かったものが紛失、盗難した場合に備えて事故の補償を得られる施設賠償責任保険契約を締結しておくなどの対策も必要です。
- 富 平成18年に高齢者虐待防止法が施行されましたが、介護施設従事者が高齢者の財産を不正に引き出して使い込んだりした場合を経済的虐待としています。
同法では施設の職員が虐待の事実を発見したときは市町村の窓口に虐待の事実を通報しなければならないとしています。使い込みを行った施設の職員を内部処分する対応だけではすまされないのです。利用者の現金等の管理にはこれまで以上の対応が望まれますね。
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