北海道経済 今月の視点【2003年02月号】原市長さん、信頼回復に全力を

今月視点

【2003年02月号】 西田 勲

原市長さん、信頼回復に全力を

仕事始めとなった1月6日、菅原市長や高丸旭川商工会議所会頭、企業や各団体の代表者らが出席して旭川市の新年交礼会が開かれた。この席であいさつがわりに交わされたのは昨年から引き続く不況の話と、3期目の菅原市政の行方である。「市長は大丈夫なのか」「4年の任期をまっとうできるのか」といった会話が行われ、また「地元企業が不況で喘いでいる時に行政が混乱していては話にならない」との憤りの声も聞かれた。

ご存知のように、11月に行われた市長選は挑戦者の東国幹氏が菅原氏に肉薄し227票差という大接戦となった。選挙直後には、地位を利用し事前運動を行ったとして公選法違反容疑で中村助役、藤井水道事業管理者が相次いで逮捕され、市長自身も市議会から辞職勧告をつきつけられた。こうした混乱の中で、3期目の人事の目玉として打ち出した初の女性助役起用の話が壊れたばかりか、新年度予算編成で要となる助役・収入役が不在という異常事態で年を越してしまった。

特別職の逮捕が続いた昨年末の段階では「警察の真の狙いは市長本人」という情報が巷(ちまた)を走り回り、具体的な逮捕の日までまことしやかに伝えられていた。結局、一連の選挙違反捜査は幹部2人の逮捕でピリオドが打たれたわけだが、暗雲立ち込めた菅原市政3期目のスタートとなったのである。

残念ながら、菅原市長にはどうもダーティーな話がつきまとう。自殺者まででたエコスポーツパーク計画、一企業社長と選挙時に交わされたとされる念書問題、そして3年前に起きた後援会の政治資金規正法違反事件などである。警察が捜査を進めたり裁判沙汰にもなったが、市長は「私自身は関与していない」と主張し、いずれもあいまいな形で終結した。

市長の言う通り、自身のあずかり知らないところでそうした不祥事が次々と起きてしまうのなら、お気の毒としか言いようがない。熱心な菅原支持者からは「今回の警察の捜査の進め方には疑問を感じる。いたずらに市民を混乱に陥れるものだ。僅差ではあったが市民は菅原市政の継続を選んだのである。厳しい時勢だけに市政の混乱は許されない。議会もそのへんを理解して欲しいし、市民も冷静に3期目の菅原市政を見守ってもらいたい」と、沈静化をのぞむ声が聞かれる。大方の市民も「もう混乱はたくさん」との考えで、それだけに菅原市長自身も信頼回復に全力投球すべきだと思う。

2人の特別職の逮捕、罰金刑の確定を受けて市長はやっと市が独自で調査する方針を明らかにした。それまでは「その必要はない」とかたくなに拒んでいたが、空席となっている特別職人事を乗り切るためには方向転換もやむを得なかったようだ。だが、こういうことは議会に催促されてやることではない。自らが進んで真相解明に乗り出すくらいの気概を見せてほしかった。

菅原市長はごく親しい人たちに「私は打たれ強いから」と話している。打たれ強いとは、疑惑追及という嵐が過ぎ去るのをじっと我慢して待つということなのだろうか。それでは市長の座は守れても、真の信頼回復につながらない。

異常事態が続いて市職員の気持ちは「落ち着いて仕事ができない」と浮き足立っている。税収不足や地方交付税削減という厳しい条件下で間もなく新年度予算編成に入るが、混乱も予想される。

また、逮捕された2人の特別職の処遇にも市民は大きな関心を寄せている。市長が関与していないのであれば厳しい処分をすべきだとの声も多い。市長がどのような姿勢でのぞむのか、信頼回復の一つの目安になるのではないだろうか。