北海道経済 今月の視点【2003年03月号】この際、市議を減らすべきだ

今月視点

【2003年03月号】 西田 勲

この際、市議を減らすべきだ

4月の市議選を前にして、現行40の議員定数を削減しようとの動きが、市議会内から浮上してきている。「厳しい財政下で市職員の数も削減しており、議会としても自ら手本を示すべきだ」というもので、今年1月に旭川商工会議所から議長あてに出された要望の中に市議定数削減が盛り込まれていたことも影響している。今回の選挙から実施する場合は、2月下旬に開会される定例市議会に条例改正案を提出する必要があり、これから、与野党各会派の調整が行われる。

市議定数問題についてはこの欄でも何度か取り上げ、そのたびに主張してきたように、私は「人口1万人に1人の割合で定数36人が最適」と考えている。自治法では旭川の議員法定数は48人となっていて、定数削減に反対する人はこれをよりどころとし、「現状ですでに8人減となっている。いたずらに定数を減らせば民意が反映されなくなる」と主張する。しかし全国には、削減率が旭川を上回る自治体が数多くある。また、厳しさを増す財政事情から議員報酬を見直し、大幅にカットするところも出てきている。

旭川の場合、議員1人に支払われる年間の報酬は約1200万円と言われる。また「議員1人に職員1人が張り付いているのが実情」なのだそうで、この職員給与も含めると、議員1人にかかる費用は年間3000万円近くになる。ご存知のように旭川市は“極寒財政”と呼ばれるほど台所事情が悪化しており、新年度予算編成では各種助成金平均5割カットなど、市民のさまざまな活動も制限されるようになってきており、今後はさらに市民負担増大が避けられない情勢だ。議会もやはり一層のスリム化―議員削減が必要なのである。

議員定数削減はまた、議員の質の向上に少なからずつながると私は思う。

先日、風邪だと偽って議会をすっぽかしゴルフツアーに参加していた杉山允孝議員の信じられない行状が新聞各紙で報じられた。「ツアーに参加すべきか議会に出席すべきか迷ったが、後援会のツアーだったので4月の選挙のこともあってゴルフに出かけた」と杉山議員は北海道新聞にコメントしているが、大半の市民は「市議の意識はこんな低レベルなのか」とあ然とさせられたと思う。

今回の臨時議会は、選挙違反事件について菅原市長が調査結果を報告し、これに対し各会派が緊急質問を行い、同時に空席となっている特別職人事を議題とする重要な議会であった。常識的に考えて「議会に出席するかゴルフツアーに参加するか迷う」という問題ではないのである。どん底の経済情勢下で、新卒者は就職難に苦しみ、中高年はリストラに怯え、だれもが将来の生活設計に不安を抱いている。そんな市民の暮らしや心情をまったくわかっていないとしか思えない。

他の市議も杉山議員と同じとは思わないが、杉山議員の行為が議会の威信にキズをつけるものと辞職勧告などを求める声が一向に聞かれない状況では「身内の不祥事に甘い」と市民にとられてもしかたがない。議員定数削減反対派が言う「民意が反映されずらくなる」との主張もまったく説得力がないのである。

本誌の調べによると、市議選立候補予定者は現在のところ43人。定数が36となれば久々の激戦となる。市民の選挙への関心も高まるだろう。

4年前の4減に続き再び定数減が実現するか。議会内には反対意見もあり曲折も予想されるが、財政難の折り、議会自らが手本を示してくれるものと信じている。下旬の定例会までに活発化していくだろう会派間の調整を見守っていきたい。