旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
5月1日に常磐公園で開かれたメーデーの集会に菅原功一市長が呼ばれなかった。主催者の連合旭川は昨年11月には菅原支持で市長選に臨んだが、その後に起きた選挙違反事件や疑惑が深まるサンライズビル問題などで互いの信頼関係が失われつつあるということのようだ。連合旭川の幹部は「多くの組合員が菅原市長に対し悪感情を抱いている」と話しており、組合員への配慮からメーデーに市長を呼ばなかったとしている。
メーデーだけではない。いつもなら、応援演説などで引っ張りだこであるはずの市議会選挙でも、各陣営からのお呼びはなかった。「候補のイメージを悪くする」と、市長に極めて近いと見られる候補さえも距離をおいた。
これほどまでに、菅原市長の人気と威信は下落している。薄氷を踏む僅差で当選してまだ半年たたないというのに、信じられない凋落(ちょうらく)ぶりである。市民が市役所に対し抱くイメージも悪化しており、働く市職員たちの士気も上がらないようである。
最近は「菅原市長の次はない」という話がまことしやかに流れており、次の市長候補の名前も取りざたされている。昨年の市長選で惜しくも敗れた東国幹氏はもちろんのこと、旭川出身で知事選で善戦した磯田憲一氏、今回の道議選や市議選でトップ当選した加藤礼一氏、安住太伸氏などである。
さて、36議席を巡り46人が立候補して激戦となった市議選も終わり、新旧交替なった顔ぶれで市議会が活動をスタートさせる。情勢としては野党勢力優勢となりそうで、市政運営は難しいものとなるのは避けられない。サンライズビル借り上げ問題は一応白紙にすることで決着がついたように見えるが、そう簡単に片付く問題ではない。ビルの実質的所有者で道議時代からの有力支持者である杉浦剛太郎氏と菅原市長の関係は異常なもので、癒着の構図が消えない。場合によっては「不信任」の要求が出てくることも考えられ、菅原市政は前途多難である。
旭川市の財政が悪化の一途をたどっていることは改めて説明するまでもないだろう。市民一人当たりの借金額は49万5000円で30ある中核市の中でワースト5。また財政の硬直度を示す財政力指数はワースト1。非常に危機的状況で待ったなしの行政改革が迫られている。こんな大事な時に、威信と求心力を失った菅原市長がどれほど力量を発揮できるものなのだろうか。
過去2期の菅原市政はそれなりに実績を残してきた。今や全国的にも有名となった旭山動物園整備、坂東市長時代に難題だった聖苑の建設、買物公園のリニューアル、市民参加推進条例の制定などなどである。
それなりに仕事をし成果をあげているのに評価が下がりっぱなしな菅原市長をある政界通は「周囲に優れた人材がいないのが致命傷。坂東さんの時もアーミックなどずいぶん騒がれた問題もあったが取り巻きの者が市長を守った」と分析する。確かに、菅原市長の場合、行政手続きや政治資金管理のズサンさなど取り巻きの資質が問われるトラブルが多い。
市議の高原一記氏は政治倫理調査特別調査委員会の意見書に「事件の背景にはおまかせ主義体質が大きく起因している」と指摘している。トップがおまかせ体質であってもしっかりとサポートするブレーンがついていたなら、これほど市政の威信低下はなかったことだろう。
ともあれ、市長の威信と求心力がなくては旭川の発展は考えられない。