旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
『道州制』への関心が高まっている。小泉首相が北海道を道州制のモデル自治体とする考えを示し、2004年度の道開発予算案に推進費として100億円が計上され、道も政策室や学識経験者らからなる『道州制推進会議』を発足させ独自の構想づくりを進めている。
道州制とは、現在47ある都道府県を数ブロックという広域単位に統合・再編しようという構想である。道州制の下では、国は外交や安全保障など本来担うべき分野だけの役割を果たし、それ以外の権限は道と州に移譲される。
すでに青森、秋田、岩手の3県では政策研究会が立ち上がり、2010年の『北東北特別県』発足を目指している。3県が合併して生まれるこの新しい県は2015年〜2020年頃までにさらに宮城、山形、福島の3県も吸収し、最終的には『東北州』を創設する構想だ。実現すれば面積約6万7000平方メートル、人口980万人の広域自治体が誕生することになる。ちなみに、面積でいえばスイスやオランダの1.5倍の規模である。
他地域でも道州制への動きが活発である。九州地方知事会は研究会を設け九州・沖縄8県の合併による『九州道州制』の検討を始めた。北陸4県は『越の国』構想を、中国・四国9県は『中四国州』を、また神奈川県の松沢成文知事は「『首都圏連合』の開催に向け道州制について戦略会議を創設したい」と話している。このように、おおむね全国の知事さんたちは道州制に肯定的である。高橋はるみ知事も「北海道が先行モデルに」と前向きのようだ。
しかし、道州制とは別に、今全国で雪崩を打つかのように進んでいる市町村合併では、なぜか北海道だけが動きが鈍く、なかなか具体化していかない。道州制に関しても、一部には「産業基盤の脆弱な北海道では、権限ばかり移譲されても意味がないのではないか」といった否定的な意見も聞かれるのである。
この国の形を地方から大きく変えるといわれる道州制や市町村合併に対する北海道と他地域の「温度差」は、そのまま官依存体質の強弱のように思われるがどうだろうか。1世紀余り続いてきた官依存体質から抜け切れず、それが、道州制や市町村合併への動きを鈍くさせているのではないか。
改めて言うまでもなく、北海道は今、いろいろな意味で閉塞感におおわれている。数年前には北海道以上に財政事情が厳しかった神奈川県や愛知県、大阪府などが大胆な取り組みで復活しつつあるのに対し、北海道の財税状況は一向に改善されていない。失業率は高く、経済成長率も低い。ただ1人取り残された格好である。すべて官依存体質が原因だとはいわないが、やはり官依存から脱け出さなければ道財政の健全化、北海道の発展はないのではないだろうか。
小泉首相が「北海道を道州制のモデル地区に」と提案してくれたことは千載一遇のチャンスである。道州制で権限が大幅に道に移譲されれば、道路の速度制限、医師数、商店街の整備、農地転用などなど、われわれの身近な問題がこれまでの全国一律基準から、地域主体で北海道の実情に合ったものへと変更が可能だ。さまざまな規制が緩和され利便性は向上する。
道州制実現には10年以上の歳月が必要だといわれるが、四方を海に囲まれ独立したブロックである北海道の場合は本州他県より取り組みやすい。政治的な圧力も予想されるが、北海道の未来は道州制なくしては語れない。高橋知事が指導力を発揮して推進してもらいたいものである。