北海道経済 今月の視点【2004年03月号】私はイラク派遣に賛成する

今月視点

【2004年03月号】 西田 勲

私はイラク派遣に賛成する

小泉首相、石破防衛庁長官、川口外相などの政府要人が出席して自衛隊旭川駐屯地で行われたイラク派遣自衛隊の隊旗授与式の模様は、各種メディアを通じて全国に紹介された。迷彩色にベレー帽姿で整列した派遣隊員を前にした首相の訓示を私もテレビで見ていたが、「強い使命感と自信を持ちこの重要な仕事にあたってほしい」と激励する首相は終始、緊張の面持ちだった。

自衛隊は発足以来、存在自体憲法違反ではないかとの議論が続いてきた。この間、世界有数の装備を誇るまでになったが、ご存知のように一度も戦地には送られていない。復興支援特別措置法をつくり自民―公明の連立与党で強行に決定した今回のイラク派遣は、歴史的な出来事であり、最高責任者である小泉首相の決断は、極めて重いのである。

その歴史的決断―イラク自衛隊派遣に関して民主党の菅代表は「どんな理由をつけようと、憲法の原則を大きく破る違憲行為である」と与党と小泉首相を厳しく非難している。これに対して小泉首相は「サマワは非戦闘地域。人道支援を行うのであるから憲法違反にあたらない」と答えている。国民の意見もまた同じように二分されているといっていい。

私の意見は小泉首相に近い。日本もこれで「一国平和主義」から脱して、「国際協調国」として他国と肩を並べられる国になったのではないかと思っている。

イラクのクウェート侵攻で始まった湾岸戦争では、金は出すが人的貢献はできないという姿勢の日本が、世界各国から顰蹙(ひんしゅく)を買った記憶はまだ新しい。隊旗授与式の訓示で首相が「イラク人が自らの国を再建しようというお手伝いに行く。自衛隊ならできる」と言っているように、戦闘行為に参加するために行くのではないのである。平和のための国際貢献、人的貢献であることは明白だ。

ご存知のようにイラクはフセインの残党らによるテロ攻撃が頻発し、安全とはいえない治安情勢である。だからこそ、訓練を積み、厳しい環境でも活動でき、危険なところからの回避能力もある自衛隊派遣しかないのである。

派遣反対派はまた「あまりにもアメリカ追従の行動である。イラク戦争の大義であった大量破壊兵器も見つかっていない」と首相を追及している。しかし、現実問題として、日米同盟を最重視していかなければ、日本の安全は守られず経済の発展もないのではないだろうか。フランスとドイツと同じようにアメリカと一線を画した態度をとれば日米関係にヒビが入り、ようやく回復基調になった経済もまたまた後退していくことになりかねない。

北朝鮮問題もある。核ミサイルで恫喝する北朝鮮に対抗できるのも日米同盟が強固であるからだし、拉致問題にしても、アメリカの力を借りなければ解決は難しいことは誰の目にも明らかである。

国益を守るためには、イラク派遣はやむを得ないのである。

ただ、自衛隊を派遣すればそれで日本の責任を果たしたということにはならない。フランス、ドイツ、ロシア、中国などに働きかけて多くの国が協調してイラクが安定化するための外交努力が必要である。アメリカに対しても言うべきことは主張する。自衛隊を派遣しているからにはそれができると思う。中東情勢が悪化すれば、石油依存度の高い日本が最も大きな打撃を受けることになる。またテロに怯えて世界経済が収縮すれば、輸出立国の日本への影響は計り知れない。

多くのメディアは自衛隊派遣に批判的であるが、最近の世論調査では派遣支持が上昇傾向にある。首相支持率も50%近いことにも注目すべきである。