旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
2月8日に発表された道の予算案を見て、ついにここまで来てしまったのかと愕然とさせられた。一般会計の規模が5年連続で縮小していることは、道内景気の低迷ぶりからやむを得ないとしても、道債残高(道の借金)が5兆3000億円というとんでもない額に達しているのである。
全国の都道府県の中では、東京都に次ぐ借金の額である。人口の規模や産業など、どれを比較しても東京都の方が実力が上なのは明白であるから、実際には47都道府県の中で財政状況が最悪なのが北海道だということになる。ちなみに道民1人当たり100万円近い借金を抱えている計算になる。
このまま手をこまねいていると2005年には、国の管理下で財政運営をしなければならない「財政再建団体」になってしまう極めて深刻な状態だ。
堂垣内道政を引き継いだ横路―堀時代に「負の遺産」が巨大化し、基金は底をつき、民間企業でいえば倒産状態に陥っていたのである。就任して台所事情を知った高橋知事は大きなショックを受けたそうだが、無理もないことだ。今、道庁挙げて、照明やエレベーター、自動ドアの節電、トイレの節水など涙ぐましい経費節減作戦に取り組み、懸案事項も先送りにしているが、それでもとても追いつかない状態。2005年には道債の大量支払いが発生し、しかも1000億円の赤字が予想されているのである。
財政状況をさらに悪化させる難題もいくつか抱えている。道の第三セクター『道住宅供給公社』と『道土地開発公社』などの経営破たんによって予想される債務負担が1000億円余り。さらには、170億円の累積赤字を抱える道営競馬と、赤字続きの道立病院の存続問題などもある。
財政改善の対策として道は、節電や節水など細かなところでも経費削減を徹底する一方、新年度予算で大幅に公共事業を減らし、また使用料や手数料の軒並み値上げに踏み切った。医療費補助や私立学校助成などは縮小している。「支出は極力抑え、収入を増やす」作戦だ。
予算編成にあたって高橋知事のもとには陳情が目白押しだったようだが、知事は「ダメなものはダメ」と押し通したとのことである。
ふるさと銀河線の存続を求める沿線自治体と住民に対しては「赤字補填をするのは難しい。ない袖は振れない」と説明し、重ねての要望には「だってお金がないんですもの」と率直に語ったそうだ。
政治家であれば普通、次の選挙を考えて、だめなものでも結論を先延ばしにしたり含みを持たせたパフォーマンスをするものだが、高橋知事は単刀直入、率直である。こういう知事こそ、リストラ緊縮財政断行にはうってつけではないかと思ったりもする。
しかし、職員数や給与の削減はまだまだ手ぬるい。人件費削減はわずか3・3%どまりで、お手盛りと批判が強い調整手当てなどは手つかずのままである。高橋知事が官僚出身だけに、身内に甘いという声は多い。
長野県の田中知事は北海道以上の財政危機に対して真正面から取り組んでいる。例えば職員の賃金カットは12%であり、道の場合と大きな違いだ。また、道職員の給与は平均年収約800万円といわれているのに対し、民間は400万円。2倍の高さである。
「ない袖は振れない」というせりふはまず職員に向けていうべきである。道職員の給与カットや人員の削減なくしては、40数年ぶりの都道府県の財政再建団体転落という不名誉を避ける道はないのではないだろうか。