旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
今、どこへ行ってもイオンの話でもちきりである。4月24日から27日までの4日間の仮オープン期間に足を運んだ人は22万人に達したそうで、28日の正式オープン後も、連日買物客で混雑している。
実は私もこのゴールデンウイークの間に、旭川初お目見えのイオンの店舗はどういうものなのか、興味津津で出かけた。最初に感じたのはやはり、その巨大さである。通路が広く天井が高く、スーパーというよりは大きなデパートという印象を持った。アメリカンスタイルの店舗というか、5年前99年の春に鳴り物入りでオープンしたマイカル小樽を連想した。
1階から3階までをざっと歩いての感想だが、飲食店街に好感が持てた。ただ、私のような中高年向けの商品が少なく、興味を引くテナントがないのが残念に思えた。若い世代をターゲットにした店づくりというのがイオンの戦略なのだろうか。
さて、その巨艦イオンの旭川の小売業界へ与える影響である。
イオン旭川西SCが目標とする年商は200億円である。これは、旭川で長く売上げトップの位置にある旭川西武の年商を約30%上回る数字で、身近にある食品中心のスーパーの年間売上げ20店分に相当する。単純に言えば、イオンが目標を達成すれば、市内の一般的なスーパーが20店消滅するということになる。
聞くところによると、イオンの目標はもっと高いのだそうである。地元業者をあまり刺激しないようにと、グループ既存店の実績をもとにはじき出した売上げ推定値をかなり控え目に発表しているのだそうだ。
ご存知のように、旭川の小売業界はかなり以前からオーバーストア状態が続いている。この4月で半世紀の歴史に幕を降ろしたステーションデパートに象徴されるように、廃業する老舗が後を絶たない。平和通、銀座通、みずほ通などの古くからの商店街は衰退し、地場スーパーの経営環境も厳しい。
ただ、幸いというか、既存店・既存商店街のこの連休中の売上げ減はそれほどでもなかったようである。イオンの影響が最も心配された駅前の西武や丸井今井は「余り影響は受けていない」と安堵の表情。永山パワーズも「人通りは若干少なかったが影響はほとんど感じない」と話している。連日数万人の人が訪れているのに既存店への影響が少ないということは、買物客というより話題の施設への見物客が多かったということなのだろうか。
私はイオンに入ってマイカル小樽を連想したが、あれほど話題をまいたマイカル小樽が破綻したように、イオン旭川西から客足が遠のき深刻な経営不振に陥る可能性もないわけではないのである。もっとも、イオンは強気の姿勢で、オープン直前に来旭したイオンの岡田卓也会長は、旭川にもう1店舗SCをつくる考えのあることをほのめかしている。小商圏型のマックスバリュの展開と合わせて、しばらくイオン旋風が旭川経済界を吹き荒れることは間違いないようである。
私の好きな歌に「世界で1つだけの花」というのがある。この歌のメッセージは、ナンバーワンを望むのではなくオンリーワンになろうというもので、とめどない競争社会の中での生き方に一つの示唆を与えてくれる。イオンの規模は旭川では間違いなくナンバーワンである。ナンバーワンの地位はイオンに任せ、迎え撃つ商店街や地場スーパーは差別化で特徴ある店づくり、オンリーワンを目指すべきである。