旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
「旭川の顔」と言われる買物公園でここ数年、2代3代と続いた老舗の廃業、閉店が続いている。買物公園でも一等地の3条7丁目にある蜂屋時計店もまた、今年秋で閉店することが決まった。老舗が長く続いた暖簾を下ろす理由はいろいろあるようだが、共通するのは買物公園の地盤沈下。通行量調査によると、買物公園を訪れる人はこの24年間で半減しており、イオンの開業でさらに減少傾向に拍車がかかっている。
こうしたの地盤沈下は、ダイレクトに地価に反映している。ピーク時1平方メートル215万円した2条買物公園マクドナルドの公示地価は現在は59万5000円。何とピーク時の72%減である。商業地として魅力をなくし集客力が急速にダウンしていることを示している。地盤沈下はさんろく街もまた同じで、3条6丁目石黒ビルはピーク時と比べ82%も公示地価が落ちている。
こうした地価下落傾向は中心街だけでなく市内の商業地全体に広がっており、市民の間から「商業地の固定資産税が実勢と合わず高すぎる」との声が噴出している。実際、企業にとって固定資産税負担は重く、このために商店街活性化や企業進出に悪影響を及ぼし、シャッターを下ろしたままの店舗や空き地が増える結果を招いているといえるのである。
固定資産税は原則として3年に1度見直されるが、最近は下落が著しいため毎年行っているのだそうである。それでも実勢価格には追いつかず割高感は否めない。長引く景気低迷や企業の業績ダウンで固定資産税の滞納が急増しており、大口である1000万円以上の滞納も30社近くあるというから驚く。
昨年暮れ、旭川商工会議所は菅原市長に景気浮揚のための13項目の要望を提出している。その中に、固定資産税の評価額引き下げという項目も入っている。固定資産税は市の税収入の4割を占め、引き下げは財政事情をますます苦しくさせるという意見もあるが、市は民間に比べ給与水準は高くリストラも甘い。これ以上経済を停滞させないためにも、早急に取り組むべきである。
保険料の引き上げと給付の引き下げを柱とする年金改革法案が可決され、年金の将来に対する国民の不安に応える改革議論のないまま幕を閉じた。このままでは年金への不信感はますます増大し未納は止まらないし、厚生年金保険料の負担を嫌う企業はますます正社員を減らす。法案を推進した公明党が言う「百年安心」からはほど遠い結果となった。
特に残念なことは、国民よりはるかに優遇されている議員年金の改革に手をつけなかったことである。
議員年金は国会議員の場合、10年間在職すれば原則65歳から年額412万円が支給され、在職期間が1年増すごとに年額8万2000円が加算される。これに対し国民年金は40年間加入し満額支給の場合でも年間79万7000円。厚生年金も、年収約570万円のサラリーマンが40年加入した場合で年約200万円にしかならない。しかも不公平極まりないのは年金に対する税金投入。厚生年金に対してはゼロ、国民年金は3分の1、そして議員年金の場合は7割も税金で賄われる。国会議員だけでなく道議や市議にも同様の年金制度があり、このための税負担はかなりのものになる。
日本のメディアは国会議員の保険料未納問題だけに固執し、まるで魔女狩りのようにあおったが、それよりも重要なことは不公平な議員年金の問題であり、年金を食い物にしてきた厚生労働省の官僚の問題である。これまでに国民から徴収した約370兆円の保険料のうち、約5兆6000億円は年金支給以外に使われたというから驚く。厚生労働省の役人がやってきたことは巨大な権力機構の組織犯罪である。それと比べると、国会議員の未納ミスや、将来に不安を感じる国民の保険料未納などはまだかわいいものである。