旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
先の参院選道選挙区で民主党の西川将人氏が55万票を獲得した。次点で終ったが、2位で当選した民主党現職峰崎直樹氏に6万5000票まで肉薄し、とくに地元旭川での得票は5万8000票を超え、ほかの候補を2万票以上引き離す強さを見せた。
決して楽な選挙ではなかった。民主党という看板はあったものの、昨年の衆院選で西川氏が民主党6区総支部の説得を振り切って出馬し、結果として佐々木秀典氏が敗れたことで「西川は旧敵」という不信感が組織内に根強く、支部、労組の支援はなかったのである。55万票という大量得票は組織に頼らず、35歳という若さをアピールし、無党派層や保守層の票を積み上げたものだ。
今、その西川氏の処遇が注目されている。当初は「落選した場合の処遇について何の担保も与えていない」と冷淡だった民主党内から、次期衆院選6区佐々木秀典氏の後継として擁立しようとの案が浮上してきているのである。連合北海道幹部からも「55万票は重たい」と、国政選挙出馬を容認する発言が飛び出している。
ただ、佐々木氏の後継としては三井あき子道議や小川勝也参議などの名前がすでにあがっており、調整が手間取ることが予想される。また支部内には依然、西川氏に対する拒否反応は強い。
今回の参院選の結果、2大政党化への流れはさらに強まり、有権者の民主党への期待は大きくなっている。しかし、民主党にはまだまだ旧社会党のイメージがダブり、政権を委ねていいものかどうか迷っている有権者も多い。労組頼みの組織選挙の限界も見え始めた今、政権交代可能な2大政党化をのぞむなら、清新なイメージの西川氏こそ次期衆院選候補にふさわしいと思うがどうだろうか。
500年の歴史を持ち年間40万人が訪れる長野県白骨温泉で公共野天風呂などに入浴剤が使用されていた問題は、層雲峡や天人峡などの温泉観光地をすぐそばに持つ旭川市民にとって他人事ではない気がする。白骨温泉の場合、数年前から湯量の変化などで濁らなくなり、悩んだ経営者が「イメージを崩したくない」と群馬県草津温泉の入浴剤を入れていたものだ。入浴剤使用のうわさは温泉ファンの間に以前から流れていたそうである。
ご記憶の読者も多いと思うが、昨年8月には、愛知県の吉良温泉で、温泉が出なくなってから10年余りも水道水を沸かして使用したことが発覚している。
気になるのは、白骨温泉や吉良温泉ほど悪質でなくても、パンフレットで「天然温泉」とPRしながらも、水道水を大量に加えていたり、お湯を循環させたりしている温泉が多いことである。そもそも「温泉」の定義があいまいで、「全国の温泉の9割は循環」とも言われている。
不正表示を監視している公正取引委員会では利用者に誤解を与えない表示をするようにと温泉業界に注意しており、また日本温泉協会でも昨春から「かけ流しか循環か」「加水しているか」「新湯の注入率」などを審査した上での表示をはじめた。「かけ流し」とは、お湯を循環・再使用せずあふれるままに捨てることを言う。
大切なのはお湯の情報を正しく表示し客との信頼関係を築くことである。温泉王国北海道でも白骨温泉の例を真摯に受け止め信用を失墜することのないように願いたいものである。そして私たち利用者も温泉宿に行った時はまず「循環ですか、かけ流しですか?」と聞くことをおすすめする。