旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
2003年の道内の自殺者数が前年より約1割増え、1531人と過去最多を記録した。これは交通事故による死者数のほぼ4倍に当たる。世代別にみると、50代が最も多く、60代、40代と続く。男女別では、男性が72%と圧倒的に多いのが特徴だ。
もう少し自殺に関するデータを紹介すると、週のうちでは月曜と火曜に集中し、時間帯は午前零時と朝方の5時から6時台に多いということである。週末が終わり仕事や学校が始まる月曜日は「ブルーマンデー」という言葉があるほど気分が沈みがちになり、死を選ぶ人が増えるのだそうだ。自殺原因は、不況からくる経済的理由が最も多く、失業率の増加が自殺者増につながっている。経済的理由に次ぐのが病気で、特に高齢者に多い。
さて、最近はインターネットの自殺サイトで呼びかけたネット自殺が多発していることが話題となっている。サイトで簡単に仲間を見つけ寄り集まることで自殺願望が強固になって実行してしまう。ネットが自殺のハードルを低くしている。
今年2月には江別市内の石狩川河川敷にあったワゴン車内から4人の遺体が発見された。また3月には栃木県日光市の駐車場に止めてあった旭川ナンバーの車の中からやはり4人の遺体が発見されている。いずれも練炭を使った集団自殺であった。苦しまずに眠るがごとく死ね、死体も汚れないといわれる練炭自殺を選択するのもネット自殺の特徴である。
ネット自殺の恐ろしいところは、自殺願望の強い人に引きずられ後戻りできなくなる集団心理が働くことである。
一方で、心の悩みを聞き最悪の決断をとどまらせる自殺防止サイトも増加している。ネットで発した「自殺したい」とのメッセージに対し励ましのメッセージが寄せられて思いとどまる人は多いのだそうだ。実行する直前までいってから「もう少し頑張ろう」と励まし合う関係ができる人たちもいるそうである。サイトを通じて集団自殺へ走るか、もう一度生きる希望を見い出すかは紙一重のようだ。北海道いのちの電話などが自殺予防の相談窓口を作って活動していることは何とも心強い。自殺防止サイトや電話の窓口を充実させれば、悩む人たちをもっと救えるのではないだろうか。行政も放置している問題ではなくなった。積極的に取り組むべきだと思う。
春は自殺が多くなる季節である。道が発行したリーフレット「心の健康だいじょうぶ?」は、男性に増えている軽いうつ病や、見逃されやすい高齢者の事例などを載せ自己チェック方法も示している。ある精神科の医師によると「食欲がない、ものごとを決断できない、必要とされない人間だと思う、会社に行きたくない、イライラする、よく眠れない、動悸がする、いつも疲れている、死んだほうが他の人が楽に暮らせると思う、と言った項目のほとんどが該当する人は要注意」だと指摘している。自分自身を含め、周りにこうしたうつ症状の人はいないだろうか。
私の友人も経済的な問題が重なり多くのストレスを抱え、一時は厭世的となり自殺を考えるまでに落ち込んだ。思い切って心療内科に通い、治療を続けた結果、今ではすっかり別人のように明るさを取り戻した。本人は「信頼できる人に話を聞いてもらうのが一番だ」と話している。何でも話せる信頼できる友人が、心を健康に保っておくための最良の手段である。貴方にそうした信頼できる友人がいるだろうか?