北海道経済 今月の視点【2005年10月号】クールビズに見習うべきもの

今月視点

【2005年10月号】 西田 勲

クールビズに見習うべきもの

今年の夏は本当に夏らしい日が続いた。旭川夏まつりは50万人を超える人出となり、ビアホールや買物公園のカフェテラスは大いに賑わった。またデパートやスーパーの夏物商戦も好調で、とくに紳士物衣料の売り上げがアップしたようである。

景気低迷から長く苦戦が続き売り場が縮小傾向にあった紳士物衣料が良かったのは、「クールビズ」効果である。商機を逃すまいと各店がクールビズに合わせた服装の組み合わせを提案し、ボタンダウンシャツや襟の高いシャツの売り上げが大きく伸びた。あるスーパーではジャケットの売り上げが15%、パンツが20%伸び、ベルトだけでも40%伸びたデパートもあったそうである。紳士服売り場には中高年の男性客が家族や同僚と連れ立って買い物するといった光景も見られた。

ノーネクタイのスタイルはボタンダウンや開襟シャツなどを着ることになり、必然的に色物やガラ物が増える。東京に住む友人が「クールビズのお陰で街が少し明るくなった」と言っていたが、確かにそうした効果もあるのかもしれない。

そもそもネクタイというものは、首元から冷気が入らないための工夫としてイギリスで生まれたファッションである。高温多湿の日本の夏にはそぐわない。30度を超す猛暑の中でスーツにネクタイ着用という服装は少々異常ともいえる。

私はかなり以前から「相手に不快感を与えなければノーネクタイでよい」という考えで、可能な限りそれで通してきた。省エネ効果を期待して実施されたクールビズによって、ノーネクタイのビジネスマンが増えたことを歓迎している。

ところで、小泉首相が着ていた沖縄の「かりゆしウェア」が大きな話題となっている。5年前のサミットで各国首相が着用したことで注目され、この夏のクールビズで注文が急増し沖縄の経済をうるおすまでになっているそうである。地元沖縄では、デザイナーや伝統工芸作家、縫製業者らが連携してさらに魅力ある商品開発を進め、一つの産業として育成しようとの動きも出ている。

この沖縄の新しい動きは、北海道でも見習ったら良いのではないだろうか。

環境省は、夏場のクールビズに続いて秋や冬に暖房を抑え、省エネにつなげるため10月1日から「ウォームビズ」を始めると発表した。室温20度で快適な生活ができる服装を定着させたいとの狙いで、ニット製品の重ね着や保温性の高い下着、帽子などを組み合わせたスタイルを奨励する。

旭川は戦後、繊維卸の街として全国に名を轟かせた。寒冷地ならではの冬に適した繊維製品開発と縫製技術の蓄積がある。優佳良織という伝統工芸も育っている。北国に合う帽子作りで知られる「どら猫」といった個性的なショップもある。第一生命経済研究所がはじきだしたウォームビズ効果はクールビズの2倍。「ネクタイを外すだけでも済んだクールビズに比べ、重ね着をするウォームビズには女性も参加するため経済効果は大きい。年間の名目国内総生産(GDP)を0・03%程度押し上げる」と指摘している。

沖縄のかりゆしウェアのような注目される商品が旭川から誕生することを期待している。