旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
旭川出身の新人代議士、杉村太蔵君がワイドショーや週刊誌でおもしろおかしく取り上げられている。議員としての奔放な発言にとどまらず、実家のこと、筑波大自主退学の理由、女性問題などプライバシーにも深く入り込んで揶揄され、国会議員失格と叩かれている。まさにマスコミの餌食となっている格好で、さぞやご家族が肩身の狭い思いをされているのだろうと同情を申し上げたい気持ちである。
しかし、なぜここまで非難されなければならないのだろうか、私にはどうも納得がいかない。
インターネットで自民党の公募に応募した杉村君は南関東ブロック比例35位。だれがどう見ても当選の芽はなかった。小泉旋風が起こした奇跡といっていいだろう。当選が決まって一番驚いたのは杉村君本人ではないかと思う。まさに棚からぼたもちである。議員最年少ということも重なって殺到したマスコミからコメントを求められ、杉村君は若者らしく思ったまま素直に「棚ぼたです」と満面の笑みで答えたのである。
非常識と指摘されている「年収2500万円」「料亭に行けるのがうれしい」「飛行機やグリーン車に乗れる」といった発言も、いくつものアルバイトで薄給に甘んじていた経験と比べて、劇的で夢のような待遇の変化に、興奮して口からでたもので、目くじら立てて非難するほどのことはないと思う。一度も行ったことのない高級料亭、乗ったことのないグリーン車。議員になってそれが経験できるのかと、感情が抑えきれないほどうれしかったのだろう。むしろ喜びを表現せずにじっと我慢して冷静を保っている方が気持ち悪い。
杉村君の発言に激怒した武部勤自民党幹事長は「今後取材を受けるな」と厳命したというが、これは何やら口封じのようにもとれる。国会議員の特権をベラベラしゃべられたら困るようなのである。
杉村君の発言の中に「文書交通滞在費が100万円。1年だと思ったら月100万円。どうやったら100万円も使えるんでしょうね」というのがある。本当に、月100万円もどうやって使っているのか、そんなに多額な金額を支払う必要があるのか。国民のだれも知らなかったそんな事実を彼は教えてくれた。思ったり感じたことを率直に口にしている杉村君は、一面で永田町の政治の実相を国民に伝えてくれたのである。
さて、杉村君に対し小泉首相はテレビのインタビューで「彼は彼なりに面白い特性を持っているじゃない。いい特性をいかしていけばいい。若いんだからある程度規格はずれの発言をするのもいい。もっと温かい目で見ていただきたい。若くて面白い、いい持ち味があると思う」と話している。さすが自民党を壊すと言い放った小泉さんだけのことはあって、一年生議員に優しい。
9月27日、異例のお詫び会見が行われた。神妙な面持ちで語られた反省の弁は自民党の指示で行われものだろうが、そのやらせの会見を見事こなした杉村君はなかなか堂に入っていた。大物政治家になる素質を、私は感じた。武部幹事長もこの会見の後に「杉村君は大化けする可能性がある」と語っている。
私も郷土人として杉村君の大化けに期待したい。