旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
10月の末に友人とニセコへ行ってきた。30年ぶりに訪れたニセコの自然は素晴らしかった。世界遺産に登録されて間もない知床を訪ねたときもダイナミックな自然の景観に感動したが、紅葉の盛りのニセコも知床に劣るものではなかった。
そのニセコは今、スキーリゾート地として最も注目されていて、オーストラリアのスキーツアー予約が殺到している。2年前は3000人だったオーストラリアからの宿泊客は今シーズン1万人に達すると予想され、ホテルやコンドミニアム(賃貸型リゾートマンション)の建設ラッシュでまちに活気が感じられた。
オーストラリアのスキー人口は10万人から15万人といわれ夏休みを利用して海外へ出かけ、家族で長期滞在してスキーを楽しむのだそうである。彼らがニセコの魅力としてあげるのは、第一に「大量のパウダースノー」。そして「温泉と食べ物」「カナダより安く時差がないこと」という。これまでオーストラリアのスキーヤーが目指したのはカナダであったが、ニセコがこれに代わり世界有数のリゾート地になる可能性も秘めているのだそうだ。
そうした元気なニセコをみて再認識したのは、北海道の豊かな自然と食である。
東京や大阪などの大都会はすでに土や水、緑が失われている。雄大な自然が身近に残っている北海道は大きなうるおいを与えてくれるし、食品はその品質の高さに定評がある。
私の友人で北海道録画センター社長の井下佳和さんが中心になり市内数社の企業で『カムイミンタラの伝道師』というグループをつくった。定年を間近に控えた団塊の世代に呼びかけて自然豊かな旭川圏域に移住を促進させようというのが目的で、9月下旬には『移住下見ツアー』を実施。旭川入りした第一陣の一行を2泊3日の日程で市内のほか美瑛、東川などに案内し盛んに旭川圏の魅力をアピールしていた。道内では井下さんと同じように、移住者を迎え入れることで地域を活性化し経済も発展させていこうと活動を始めたグループがいくつもある。
旭川のお隣の美瑛町では全国7つの町と村の首長が集まり『日本で最も美しい村連合』が発足した。フランスで始まりイタリア、ベルギー、カナダなど世界に広がった美しい村連合運動を手本に活性化を図っていくのが狙いで、参加したのは美瑛町のほか世界遺産の合掌造りで有名な岐阜県白川村、そばや美しい棚田で知られる山形県大蔵村など。「輝くオンリーワンを持って自らの町や村を誇りとして自立し、将来にわたって美しい地域であり続けることを互いに協力し合う」ことを標榜する。この連合づくりには美瑛町の浜田哲町長が中心的役割を果たした。
地球温暖化の影響か、今年の秋はいつもより長く快適である。南に位置する地域はそんなことはいってられないのだろうが、北海道に住む者にとっては快適である。東京は将来、マニラ並みの暑さになるとも言われる。ある調査によると、団塊の世代の7割以上は、マンション暮らしをやめ自然と接する生活をしたいと望んでいるという。豊かな自然と充実した食、そして台風や地震災害なども少なく日本で最も安心して住める地域の一つ、北海道はパラダイスだと発信し続けることが大事だと思う。