旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
旭川市の一般職の給与削減が基本給6%相当で決着した。「6%も減っては生活が非常に苦しくなる」と職員からグチが聞こえてくるが、民間から同情の声はない。長引く不況から市内企業は名の知られた大手でさえも今は、40代50代の働き盛りで年収400万円程度。しかも45歳位から昇給をストップしているところも少なくない。これに対して市職員は大卒勤続18年事務職で年収約630万円で、官民格差は不況下で以前よりさらに開いているのである。
新年度予算編成では、各種手数料を軒並み値上げし、また施設使用料有料化を打ち出して、市民負担を先行させた。市役所窓口での住民票や印鑑証明など交付手数料の値上げは102項目に達する。これまで使用料が無料だった総合体育館や大雪アリーナなど有料化される施設は19。ほかに家庭から出るゴミ、バスの老人パスなども有料化に踏み切る。この様に市民に痛みを求めるからには当然内部努力も必要なわけで、給与削減を巡って労使交渉が続いていた。それでも最終的に12億円の財源不足で、その穴埋めに多額の基金が取り崩される。
『財政健全化プラン』(06年度〜10年度)の中で市は「5年間で人件費63億円削減」を掲げている。
それによると5年間で段階的に職員数を136人減らす。人員減と給与削減によって5年間で約63億円の財源を確保するとしている。もっとも、職員削減といっても民間のリストラのように解雇するわけではない。ここ数年団塊世代の大量退職が続くが、業務のアウトソーシングなどを進める一方で新規採用を抑えて調整するのである。
ところで、職員給与削減が6%で決着したが、市議会議員の報酬削減が一向に取りざたされないのが不思議である。この不況下、民間では役員報酬は相当に減らしているのが現実で、私の友人などは役員報酬を返上し年金で生活を賄っている。民間企業でいえば社長や役員にあたる市長と特別職の報酬、また管理職給与は職員給与6%削減が決まる以前にすでに大幅削減が決まっている。
市議会の中には「現行報酬51万5000円は10年間据え置かれている。定期的に引き上がる職員給与とは違う」との意見があるようだが、しかし、厳しい財政状況下でそんな悠長なことはいってられない。議会に出席するたびに支給される費用弁償(いわば日当)や、年間96万円を上限とする政務調査費なども合わせ、見直し削減を急ぐべきである。
現在日本には約6万人の地方議員がいるが、支払われる報酬が莫大で、世界の中でも突出している。国が進める構造改革の中で地方議員のあり方を問う声も強い。欧米などの先進国の地方議員は本業の傍らボランティアで街づくりに参画しているケースが多いが、日本は職業化し報酬も高いのである。
自治体財政の健全度は「財政力指数」「経営収支比率」「公債費負担比率」などといった数字で推し量ることができるが、そのどれもが、旭川市の財政は危機的な状況にあることを示している。
道は職員給与10%削減に次いで道議の報酬10%削減も実施する。一部に反対意見もあったが「道の極めて厳しい台所事情を考えるとやむを得ない」と歩み寄った。10%削減で1議員当たり年間108万円の減額となるそうだ。
市民負担は増えた。民間企業は賃金カットを断行。市長や特別職は報酬カットされ、管理職、職員も給与削減が決まっている。議員もまた痛みを分かつべきである。赤字再建団体転落を避けるためにはそれが必要である。