旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
最近、「道州制って何なの」と聞かれることが多い。テレビや新聞でたびたび報じられていながら、かなりの知識人でも、その内容や道州制で北海道がどう変わるのか、明確に答えらない。そこで今月号は、私なりに分かりやすく道州制の話を書いてみたいと思う。
日本は現在、47の都道府県に行政区分されている。この行政区分をもっと広域に、道や州といった大きな単位で再編しようというのが道州制の考え方で、明治時代から120年も続いてきた都道府県をなくす画期的な試みである。全国をいくつの道と州に分けるかについては、9つ、あるいは11、さらには13と何通りかの案が出ているが、今のところは11の道と州での再編案が主流となっている。
道州制になると、国道や河川の管理など今国がやっている仕事の多くが道と州に移される。また、都道府県が携わっている教育や福祉などは市町村に任せられることになる。国は何をするかというと、外交や防衛、それに金融政策などに専念することになる。
実は過去にも何度か道州制が検討されたことがあるが実現しなかった。しかし「平成の大合併」で市町村も広域となり体力や能力が向上し、都道府県の存在感も以前よりは薄れてきたとして今また注目されているのである。全国の知事の半数以上が道州制に賛成で「地方分権をさらに進めるには道州制は欠かせない」と、意見がおおむね一致している。
本州との間に津軽海峡が横たわる北海道はもともと大きな独立した地域で、道州制には最も適しており、3年前に小泉首相が高橋知事に「北海道がモデルとなって道州制を先行実施したらいい」と持ちかけた。これに対して道は13項目の権限委譲を求める案を提出したが、中央省庁から予想以上に強い抵抗があがった。そこで後ろ盾となる法律が必要だとして「北海道道州制特区推進法案」が提出されることとなった。
ただ、道州制に移行するとなると財政上の大きな問題を抱えることになる。
北海道は今まで北海道特例という手厚い保護のもとに発展してきた。道州制はそうした特例をなくし他府県並みの扱いにするのが前提であり、そうなると公共事業だけでも3000億円程度減る計算になり、現在の建設業者が半減するだろうと予想される。自民党は道州制に関して道民の理解を得ようと札幌、旭川、帯広、北見の4ヵ所で「タウンミーティング」を開催したが、反対論が多く必ずしも反応は良くなかった。北海道特例を維持しての道州制でなければ経済的に破綻するとの危機感を抱いている道民が少なくないのである。
権限は委譲してほしいが北海道特例は譲れないとの主張に小泉首相は不快感を隠さない。北海道の未来がかかった法案はいままさに正念場を迎えようとしている。高橋知事や北海道選出国会議員の力量が問われるところだ。
私の手元に一冊の本がある。高橋知事の書いた「はるみ知事の夢談義」で、道州制への知事の思いをつづったもの。知事は本の中で具体例をいくつもあげながら、中央集権の問題点を指摘し、道州制の必要性を訴えている。私も知事の考えに賛成だ。北海道がいつまでも中央依存では真の発展はない。北海道選出の国会議員は総じて消極的なようで、ただ1人武部勤氏が「ピンチはチャンス」と道州制をアピールしている。なかなか良いキャッチフレーズだと思うがいかがなものだろうか。