北海道経済 今月の視点【2006年06月号】経済人の名前が出てこない市長候補

今月視点

【2006年06月号】 西田 勲

経済人の名前が出てこない市長候補

旭川市長選がいよいよ半年後に迫った。現職の菅原功一市長が4選を目指すのか、また再挑戦が確実な東国幹氏の動向、自民党と民主党の候補選考のゆくえなどに市民の関心が集まっており、巷間、候補者として何人かの名もあがっている。

4月28日には自民党旭川支部が、市長選挙の候補を一本化するための委員会を設置し、6月末をめどに選考を急ぐこととなった。今のところ保守系の東氏が市長選に強い意欲を見せておりほぼ出馬は確実だが、いかんせん昨年の酒気帯び運転という重い十字架を背負ってしまい苦戦が予想される。保守系で別の候補を立てるとするなら分裂選挙となってしまう。自民党は4年前の市長選でも候補者の一本化を目指したが結局は東氏と現職菅原市長が激突する分裂選挙を余儀なくされている。今回なんとかそれを避けたいのが偽らざる気持ちだが、菅原市長が出馬不出馬の意思を明らかにせず東氏も出馬の気持ちを変えないという現在の状況では、自民党の候補一本化の作業は難航が避けられそうもない。

これに対して民主党も選挙対策協議会を開き、候補者の絞り込み作業を本格化させている。すでに2月の党大会で菅原市長を支えてきた姿勢の転換を明確にし「新しい市政を目指す」としており、新しい候補選定を自民党と同じく6月中に終えたい考えだ。内部には国政選挙で知名度を高めてきた西川将人氏を推す声もあるが、西川氏が師と仰ぐ小沢一郎氏が民主党党首となって衆院千葉7区補選を勝利したこともあって、小沢氏の一声で決まる可能性もあるようだ。

ところで、自民党が候補者一本化のための委員会を開いた同じ4月28日に、市内ホテルで旭川出身で北海道開発局に勤める小松正明氏の出版記念パーティーが開かれた。02年から3年間助役を務めた静岡県旧掛川市での経験をまとめた『掛川奮闘記』出版を祝い明星中、東高、北大の同窓会メンバーが開いたものだが、時期が時期だけに「小松氏は市長選への出馬意欲があるのでは」とも見られている。本人は出馬に関してはノーコメントだが、同窓生などからは「街づくりのために役立ってほしい人だ」と待望する声が絶えない。

この他、候補がウワサされる人で私が耳にしているのは、自民党旭川支部長の加藤礼一氏、旭川市議会議長の中島哲夫氏、旭山動物園園長の小菅正夫氏などがいる。

さて、市長職というのは昔と今では相当に変化している。財政が豊かで、公共事業中心に予算をばら撒き権力者らしくいい顔ができたのは過去のこと。今は巨大化した役所のリストラ、少ない予算をどう有効に使うかといったことに追われている。街の頂点に立つ権力者というのではなく、社員3000人で厳しい経営下の組織の舵取りを委ねられた社長さんといった方がふさわしい。新年度予算編成では各種団体の補助金が大幅カットされ、また市長自身も職員も給与を大幅に削減した。これらは序の口で今後はなお一層のコストカットを推し進めていかなければならない。

選挙となれば今でも保守だ革新だとこだわる人がいるが、そんな時代はとっくに過ぎた。自民党の申し子といわれた小沢氏が民主党党首になったことがそれを象徴している。市町村の首長となればなおさらのことである。要は旭川市という会社を立派に建て直す能力のある人を選べばよいのである。そのような考えで今名前が挙がっている候補の顔ぶれをみていくと、経済界で活躍している人の名が出てこないのが不思議でもあり残念である。