旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
市民団体『旭川市公会堂の存続と早期改修を求める会』(則末尚大会長)が先日、菅原功一市長を訪ねて陳情書と6万5700人余りの署名簿を提出した。求める会は3月14日に発足したもので、2カ月余りで目標とした3万6000人を大きく上回る署名を集めたわけで、この問題への市民の関心の高さがうかがえる。
求める会は、市が耐震調査実施のために07年度(平成19年4月〜平成20年3月)の公会堂の利用受け付けを中止したことが発端となって発足した。公会堂は1958年(昭和33年)の完成だが、ほぼ同じ時期に建設された札幌市民会館が耐震調査の結果解体が決まったこともあって、公会堂も廃館、解体の可能性もあると文化関係者らが敏感に反応した。また、2000年に決定したはずの『生涯学習センター』計画が、まったく着工のメドがたっていないことも文化関係者の危機感を強めた。
同センターは、中央公民館、ホール、科学館、ギャラリーなどをまとめた複合施設で、ホールは800人程度を収容できる公会堂の代替施設となるはずだった。しかし市の予算が年ごとに厳しさを増してきて科学館だけが先行して建設され、ホール機能を持った施設は後回しとなった。中央公民館とギャラリーなどは、リニューアルされる神楽の旧営林局旭川庁舎の中に機能を持たせることにしており、結局、ホール機能だけが白紙の状態となっているわけだ。
音楽や舞踊、演劇の舞台となるホールで市内最大のものは市民文化会館大ホールで収容人員は1600人。小ホールはグッと小さくなって350人。大雪クリスタルホールの音楽堂は550人である。これに対して公会堂の収容人数は800人。則末会長は「様々な催しにちょうど良いサイズ。音響の良さにも定評がある。公会堂がなくなっても文化会館や音楽堂があるじゃないかとの声もきかれますが代替にはならない。鷹栖メロディーホールではちょっと遠すぎる。公会堂はまた旭川の文化レベルを守ってきた施設でもあります」と訴えていた。公会堂の舞台には著名な演劇人らが数多くあがっているが、大滝秀治、栗原小巻、熊倉一雄ほかたくさんから「全国的に貴重なホールだから絶対に残すべきだ」との激励が届いている。
陳情書と署名簿を受け取った菅原市長は「市民皆同じ気持ちと理解している。できるだけ早く再開のメドを示したい」と前向きな姿勢を示し、教育委員会も「手を加えながら維持していく」と話していることに期待したい。
率直に言って旭川市は、パークゴルフ場などのスポーツ施設の充実度に比べて文化施設が見劣っていると思う。人口36万人都市でホール4つ合わせて収容人数3300人とはいかにも少ない。実際、文化会館のホールや音楽堂を利用する場合、1年前から申し込まなければ会場を確保できないという厳しい状況である。演劇もさることながら、音楽の街を標榜する旭川にとってホール施設は拡充が必要だと思うし、少なくとも廃館、削減は望ましくない。そういう意味では求める会の活動は大きな成果があったと思う。
今回の公会堂問題を機に、施設の民営化も含めて文化活動がもっと旺盛になるような環境づくりを考えてもらいたいものである。