旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
旭川中心部の地価の下落がとまらない。国土交通省が毎年3月に発表する「公示地価」によると、買物公園2条8丁目は2年連続で下落率全国一となっている。8月1日に国税局から発表された路線価(土地評価基準の1つ)でも、旭川中心部の下落率は道内最大となった。
2条買物公園周辺は、昔から一番地価が高い所として知られているが、公示地価の調査ポイントである2条8丁目買物公園は、80年代から90年代初めまで右肩上がりで、93年には1平方メートル215万円をつけた。坪で計算すると709万円になる。しかし翌年の94年から下落に転じ、01年に1平方メートル100万円を割り込み、昨年50万円以下となり、そして今年は34万5000円。何とピーク時より8割以上も下落している計算だ。
住宅地の方も中心部の商業地ほど極端ではないが下落傾向が続いている。土地の価格はその街の経済力を反映するもので、下落率全国一、道内一というデータは旭川経済の低迷が依然続いていることを示している。
旭川市では、中心商店街の活性化を図り人を呼び戻そうと、買物公園と銀座通の大改修を行った。買物公園のリニューアルは02年に、銀座通リニューアルは1年前の01年に終了しイメージを一新したが、しかしその後も残念ながら客足は減少傾向にあり、老舗の閉店が続いて空き店舗はさらに増加している。遅ればせながら政府も、中心商店街衰退に歯止めをかけようと、大型店の郊外出店規制などを盛り込んだまちづくり3法をつくったが、どれほどの効果が出てくるのか疑問の声の方が多いのが現実だ。
街の中心部の活性化は、東京や札幌などの大都市を除き、全国に数多くある地方都市が抱える共通の課題であり悩みだ。さまざまな取り組みが行われているが、その中で今、中心商店街ににぎわいを取り戻した成功例として全国から視察が相次いでいるのが青森市である。
人口が31万人とほぼ旭川市と同じ規模の青森市は、やはり旭川市と同じように郊外に住宅開発が進み幹線道路沿いに次々とスーパーや専門店が出店して、中心部が衰退した。89年に就任した佐々木誠造市長は「このまま郊外化が進めば道路や水道、学校の新設整備や除雪費など都市経営のコストが膨らんで破綻する。市街地拡大を止め、中心市街地を元気にしなければだめだ」と『コンパクトシティ構想』を打ち出した。そして一つひとつプランを実行に移し成果をあげている。
にぎわいを取り戻す核となったのはJR青森駅前の再開発ビル。キーテナントになる予定のデパートが出店を撤回し計画白紙の“危機”に見舞われた市は、5階から9階を借り上げて市立図書館とし、地下を生鮮市場に、そして1階から4階を若者向けの専門店とした。さらに近くの空きビルや店舗を買い取り起業意欲のある人に安く貸し出すことも始めた。こうした取り組みで一帯の通行量は5割増えにぎわいが復活し、またマンション開発も活発になって中心部に新たに800戸誕生し居住人口は20年前に戻ったという。
少子高齢化が急速に進む中、高齢者が歩いていける距離にスーパーや医療機関がそろっているコンパクトなスタイルは時代に合っている。1ヵ月余りに迫った旭川市長選は新人4人ないし5人の戦いとなりそうであるが、実はその立起予定者のフォーラムが9月20日に開かれる。不肖私がコーディネーターを務めるが、この事をしっかりと聞いてみたいと思っている。