旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
スキーリゾート地としてのニセコの人気はさらに高まり、外国人スキー客でにぎわっている。ブームの火付け役はロス・フィンドレーさんで、スキーのインストラクターとして91年にニセコ・ヒラフにやってきてパウダースノーに感激し、オーストラリアの友人らにニセコの魅力を発信。訪れた人が帰国してニセコの素晴らしさを伝え、テレビや雑誌でも大々的に紹介されるようになって知名度があがり、年々訪れるスキーヤーが増加していった。
最近はアメリカやヨーロッパのメディアでも雪質の良いスキーリゾート地として取り上げられるようになり、オーストラリア以外の国からのスキーヤーも増えて、今シーズンの外国人客は1万人突破が確実視されている。6年前は300人だったというからその急増ぶりには驚かされる。
オーストラリア人などが経営するコンドミニアムやレストランも増えている。ヒラフスキー場がある倶知安町の外国人登録者数は町の人口の1・8%に当たる289人に達したそうで、国際都市と呼ばれる札幌の1%を超えた。『国際リゾート地ニセコ』として躍進しつつある。
そのニセコに数的には及ばないが、この冬はカムイスキーリンクスにも多くのオーストラリアやニュージーランドからのスキーヤーが訪れている。長期ツアーで富良野に滞在し、富良野スキー場とはまた違うダイナミックなカムイリンクスでも滑りを楽しもうというスキーヤーが、シャトルバスで連日のように押し寄せている。
全国的に“スキー離れ”が進み、富良野スキー場もカムイスキーリンクスも年間利用者数は減少傾向にあった。ニセコブームに刺激を受けて富良野市が外国人スキー客の誘致に乗り出したのが2年前で、その後、旭川市とも連携し『富良野・旭川地区オーストラリア客誘致協議会』が立ち上がった。富良野スキー場とカムイスキーリンクスに大雪山系旭岳のスキー場も組み合わせた過ごし方を提案。オーストラリアの旅行会社を招きゲレンデや宿泊施設を案内し、またホテルとスキー場従業員がオーストラリアでプロモーションを行うなど売り込みに努めてきた。富良野では昨シーズン中に前の冬の5倍にあたる約800人のオーストラリア人スキーヤーがやってきた。そしてこの冬はカムイスキーリンクスにも誘致作戦の効果がはっきりと現れたのである。
富良野とカムイの雪質はニセコ以上であり、壮大な眺望もまたセールスポイントである。草創期のプロスキーヤーでもあるカムイスキーリンクスの前田光彦支配人によると「オーストラリアやニュージーランドのスキーヤーにはコースが広々としたカムイが好まれる。2日3日と続けてシャトルバスに乗ってやってくる人も多い」という。
南半球に位置するオーストラリアでは長期の夏休みをとって海外で過ごすのが定着しており、北海道を訪れるスキーヤーも10日以上滞在するのが一般的だ。カムイスキーリンクス周辺にもコンドミニアムやペンションなどができれば冬の滞在型観光が実現するのではないだろうかと私は思うが、前田支配人は「施設よりもまずはアクセス」と話している。ホテルなどの施設は充実し北海道第二の歓楽街さんろくも抱えており、市の中心部とカムイスキーリンクスを結ぶスキーヤー向けの交通手段が整備されれば、旭川に滞在して過ごすスキーヤーが増えるというのである。カムイスキーリンクスは旭山動物園に次ぐ観光資源になりえる。アクセスの整備ならそう大きな費用もかからない。旭川市などが積極的に考えてもらいたいものである。