旭川から発信する情報コンテナ月刊北海道経済
月刊北海道経済は創刊以来40年。旭川市を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を発信している雑誌です。
この冬はとにかく暖かく、私自身長い間旭川で暮らしているが、こんな経験をしたのは初めてである。旭川地方気象台にきいたところ、1月の平均気温は過去の平均より2.2度高く、2月は5.2度も高かったのだそうである。降雪量も11月から2月まで4ヵ月間のトータルで112センチも少ない記録で、しのぎやすい冬と喜んでいる市民は多い。
暖冬の影響は各地に異変をもたらしている。オホーツク海の流氷は例年と比較して薄く小さい。日本海ではニシンが豊漁。逆に道南の岩ノリが不漁。暖かすぎて熊が冬眠できないという話さえある。例年ならあるはずの“野菜の端境期”がなく、道内の市場にはキャベツやダイコン、ハクサイが途切れることなく入荷している。本州は早々と春の陽気となり、菜の花や梅、桜の花が咲き出している。少雪でまともに営業できなかったスキー場も多かった。
記録的な暖かさの原因は「北極地方からの寒気の南下が長続きしなかったことや、エルニーニョ現象の影響などで冬型の気圧配置になりにくかったため」と日本気象協会では話している。一時的な変動であればそれほど深刻に考える必要はないのだが、最近有力になってきているのが、私たちの産業活動、経済活動で大量発生するCO2(二酸化炭素)が地球温暖化を加速し、さまざまな異変をもたらしているという説である。話題となっているアメリカのドキュメンタリー映画『不都合な真実』でも、産業活動による地球温暖化こそが異常気象とそれによって引き起こされている地球的規模の環境破壊の元凶だと糾弾している。
実際、異常気象は日本だけでなく世界中で発生している。大洪水に寒波、地域によっては熱波、巨大な竜巻。多くの人命が失われ、家族を失い住む家や土地を無くし難民化する人々も大量に出てきている。災禍の大きさは戦争さながらだと言われる。人類に最大の危機は核戦争といわれるが、地球規模の環境破壊によって引き起こされる災禍は核戦争以上だと警告する学者もいる。
国連の潘基文事務総長も、温暖化を切実な問題としてとりあげ、6月に開かれるサミットでこの問題について世界のリーダーと話し合いたいとコメントしているが、なかなか難しい問題である。
産業革命以来、先進国は豊かさを獲得するためCO2を排出し続けて地球温暖化問題を発生させた。途上国には俺たちが起こした問題ではないとの意識が強い。そうした歴史的経過を抜きにして、まだ豊かではない我々にも応分の負担を求めているとの反発がある。しかし国連としては、急速に経済発展する中国やインド、それに続くブラジルやベトナムなどの排出量も削減対象としなければ温暖化抑止の効果はないと考えている。この問題解決は国連に期待される重要な役割といえる。
朝日新聞の調査によると、温暖化に危機感を持っている人は実は9割を超えているという。そしてこの温暖化に歯止めをかけるために最も必要なことは、「米国と中国のCO2排出量削減だ」とする人が7割にも及んでいる。
さて、私たちは日常生活の中で温暖化防止のためにどれほどの努力をしているだろうか。ゴミ分別はもちろんのこと、まめに電気を消す、冷暖房の温度設定に注意する、省エネの電気製品やクルマを使用するなどの努力がかなりのCO2削減、温暖化防止につながると思う。
言うまでもなく今日の産業活動を支えているは石油である。国連大学の室井至副学長は「やがて石油は枯渇するか、あるいは手が届かないほどの高値となる。みんないつまで石油にたよっているのだろうか」と、警告する。実際、多少の上下はあっても石油価格は確実に上昇傾向にある。私たちは、今年の異常気象を機に環境問題にさらに高い関心を持つべきである。